ゾウの大量死、水飲み場の毒素が原因か ボツワナ

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ボツワナの動物保護区を歩くゾウの集団=2010年/Cameron Spencer/Getty Images Europe/Getty Images

ボツワナの動物保護区を歩くゾウの集団=2010年/Cameron Spencer/Getty Images Europe/Getty Images

(CNN) アフリカ南部のボツワナで野生のゾウ300頭以上が死んでいるのが見つかった問題で、政府の野生生物保護当局は21日、毒素を生成するシアノバクテリア(藍色細菌)が水飲み場で繁殖していたことが原因だったと発表した。しかし、一部の専門家はこの説明に納得していない。

ゾウの死骸は今年5月から7月までの3カ月の間に相次いで見つかった。当初は原因不明とされ、さまざまな憶測が飛び交う中で、ボツワナ政府は死骸や土壌、水質の検査を指示していた。

シアノバクテリアは水の中で繁殖する細菌だが、全てが毒素を生成するわけではない。しかし専門家は、地球温暖化に伴う水温の上昇で細菌が繁殖しやすい条件が整い、シアノバクテリアが生成する毒素が増えることを懸念している。

ボツワナに生息するアフリカゾウは13万頭と、アフリカ大陸で最も多い。同国は昨年、ゾウの狩猟解禁に踏み切って国際社会の非難の的になった。

保護団体の関係者などは、5月に死んだゾウについて、密猟によって殺された疑いがあると指摘していた。

しかしボツワナ野生生物・国立公園局の当局者は21日の記者会見で、人が関与した可能性はほぼ全面的に排除されたと述べ、「入手できる証拠を見る限り、これは自然現象だった」と説明した。

ボツワナ政府は密猟の可能性は排除されたとしている/Obtained by CNN
ボツワナ政府は密猟の可能性は排除されたとしている/Obtained by CNN

さらに、死んだゾウは全て牙が抜き取られていなかったことも、ゾウの大量死が自然現象だったという政府の見解の裏付けになると述べ、「密猟の可能性は排除された」とした。

それでも納得しない専門家は、政府の調査結果の全面的な開示を求めている。ゾウを専門とする生物学者のキース・リンゼイ氏は、「水飲み場が原因だったとすれば、なぜゾウだけが影響を受けたのか」と疑問を投げかけている。

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