多様性保全の「愛知目標」、完全達成の項目はゼロ 国連報告

生物多様性を守る過去10年の取り組みで、目標に達した項目は1つもなかったという/David McNew/Getty Images North America/Getty Images

生物多様性を守る過去10年の取り組みで、目標に達した項目は1つもなかったという/David McNew/Getty Images North America/Getty Images

(CNN) 2010年の生物多様性条約締約国会議(COP10)で10年後に向けて採択された「愛知目標」のうち、完全に達成された項目は1つもないことが分かった。

15日に公表された国連の多様性概況報告は、生物多様性がかつてないペースで損なわれ、損失へ向かわせる圧力も強まっているとの警告を発した。

愛知目標の20項目のうち、10年で部分的に達成されたのは外来種の侵入防止、自然保護区の保全、情報共有など6項目。森林破壊は00~10年の3分の2に減り、水産資源が回復に向かった国もある。こうした行動がなければ、鳥類やほ乳類の絶滅は2~4倍に上っていた可能性が高いと、報告書は指摘する。

一方で20項目をさらに細かく分けた60分野のうち、13分野は前進が全くみられないか、悪化していた。森林や熱帯地域で野生生物の生息域が縮小し、プラスチックによる海洋汚染や農薬が生態系に及ぼす影響も深刻化している。

各国政府が生物多様性の保全に費やした予算は年間平均780~910億ドル(約8.2~9.6兆円)にとどまったとみられる。

各国が設定した目標の達成状況を平均すると、達成に向かっている項目が3分の1強、やや前進した項目が半数で、11%は全く前進なし、1%は目標から遠ざかっていた。

生物多様性条約事務局のムレマ局長は、自然破壊が進めば人類の健康と安全、繁栄も損なわれると強調した。

報告書は一方で、多様性の低下を食い止め、向上に転じさせるのは今からでも遅くないと強調。必要とされる行動の多くはすでに特定され、パリ協定などで合意に至っていると指摘した。

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