モロッコの出稼ぎ労働者7200人、スペイン国境封鎖で足止め

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スペインへ出稼ぎに行った労働者がモロッコへ帰国させるよう求めている/courtesy Fatima Fraise-Sidi

スペインへ出稼ぎに行った労働者がモロッコへ帰国させるよう求めている/courtesy Fatima Fraise-Sidi

マドリード(CNN) 北アフリカのモロッコからスペインの農園へ出稼ぎに行った女性労働者ら数千人が、新型コロナウイルス感染対策の国境封鎖措置のために帰国できないまま足止め状態になっている。両国の人権NGOがこのほど、対策を求める声明を出した。

声明によると、出稼ぎ労働者の多くは今年3月から果実の収穫作業に従事。しかし5月にシーズンが終わった後も、南部アンダルシア州のウエルバ県で7200人近くが足止めされている。

9日には同県カルタヤで15人の女性が帰国許可を求めるデモを実施した。CNNが入手したデモの映像には「家族に送金して無一文だ」「モロッコに子どもたちを残してきた」と訴える女性らの姿が映っている。

モロッコ外務省は14日以降、帰国者の入国を許可する予定だが、フェリーが出る港は仏セットと伊ジェノバのみ。どちらもウエルバ県から1000キロ以上離れている。

さらにモロッコ入国時は48時間以内に受けた新型ウイルス感染の検査結果を提示する必要がある。支援ボランティアらによれば、出稼ぎの女性らは遠隔地に滞在しているケースが多く、港まで行ったり、検査を受けたりする費用を出せない。

アンダルシア州当局の報道担当者はCNNに、すでに女性106人と乳児5人をチャーター便で帰国させたほか、滞在中の労働者には食料などを届けていると説明。雇用主らは宿泊施設を引き続き提供することに同意していると述べた。

だがスペインのNGOによると、労働者らが詰め込まれたプレハブ小屋では暑さや雨をしのぐこともできない。一部の住まいには水道、電気さえ通じていない。当局から食料の支援はなく、雇用主の善意に頼っていると話す女性らもいる。

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