豪州、10年間で国防費40%増へ 中国けん制か

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豪州が今後10年の国防費を40%増額する方針を発表した/ISHARA S. KODIKARA/AFP via Getty Images

豪州が今後10年の国防費を40%増額する方針を発表した/ISHARA S. KODIKARA/AFP via Getty Images

(CNN) オーストラリア政府は1日、2020年版の国防戦略を発表し、今後10年間の国防費に1860億米ドル(約19兆9000億円)を投じ、緊張が高まるインド太平洋地域で自国の防衛能力の強化を目指す方針を明らかにした。

2016年に発表した10年間にわたる国防費の規模に比べ、約40%増の水準。米海軍から長距離対艦ミサイル「AGM−158C」を推定8億ドルで調達し、米国への依存度を減らす独自の衛星ネットワークの構築も想定。

南太平洋に進出し軍事的な存在感を高める中国を意識してか、豪州東部沖の海域をにらむレーダー網の拡充も盛り込んだ。

モリソン同国首相は首都キャンベラの国防大学で演説し、豪州は第2次世界大戦以降、最も厳しい国際情勢に直面しているとの危機感を表明。

中国の脅威増大には直接触れなかったが、中国が主権論争に絡むインドとのヒマラヤ地域での国境線係争、南シナ海や東シナ海情勢に言及。「誤算に加え紛争勃発(ぼっぱつ)のリスクも増えている」とし、インド太平洋地域を「我々の時代において主要な国際的競争の中心」と位置付けた。

オーストラリア国立大学の安全保障問題専門家は新たな国防戦略について、攻撃的なまで自らの主張を強める中国と依存出来る度合いが不透明になっている米国に支配され得る将来の事態に備えたものと分析した。

新たな国防戦略に基づく予算では海空軍の装備品の改善や弾薬や燃料の備蓄能力の強化などを図り、豪州の「裏庭」とも呼べる周辺地域での防衛能力の向上も進めるとした。

ただ、長距離対艦ミサイルの導入は地域大国のインドネシアとの関係を不安定化させ、中国の反感を一層募らせるとする見方もある。

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