感染対策でマフィアのボスら出所、自宅軟禁に 伊

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新型コロナウイルスの刑務所内での感染拡大抑止に向けて新たなガイドラインが出された/Miguel Medina/AFP/Getty Images

新型コロナウイルスの刑務所内での感染拡大抑止に向けて新たなガイドラインが出された/Miguel Medina/AFP/Getty Images

(CNN) イタリアの組織犯罪集団を捜査する司法当局は26日までに、被害が甚大な新型コロナウイルスの感染対策の一環として収監中のマフィアなどの一部のボスが出所を許され、自宅軟禁の処置に移されたことを明らかにした。

この措置に対しては国内で批判を招いており、野党「同盟」のサルビーニ党首は「正気の沙汰ではない」と非難した。

イタリア政府は刑務所内での感染拡大を阻むため残る刑期が18カ月以下の受刑者を自宅軟禁措置に移行させることを治安判事に認めた。これを受けマフィアの首領に加え、ナポリ地方の組織「カモッラ」とカラブリア州が本拠の「ヌドランゲタ」の首領2人を自宅軟禁とした。

司法当局者は、3人は犯罪組織内での位置を踏まえ、刑務所外の構成員との接触を阻止するため特別な隔離措置に置かれていたと指摘。「自宅に帰せばこれらの処置は明らかに行使されない」との不満を示した。

3人のうちフランチェスコ・ボヌーラ受刑者はシチリア島のマフィアで有力なボスとされる。組織内での地位に絡む罪で禁錮23年の刑を受け、残る刑期は9カ月だった。

イタリアのアルフォンソ・ボナフェーデ法相は今回の囚人の出所は治安判事の独立的な判断などに基づいて実施されたと説明。その上で出所の最終判断には組織犯罪集団を捜査する司法当局を関与させる提案を検討するとした。

サルビーニ党首はツイッターに投稿した映像で、マフィア首領らの自宅軟禁は国民、治安判事、記者、警官やマフィアの犯罪の犠牲者に対する敬意の喪失であると批判した。

イタリア政府によると、国内の刑務所の服役者数は今年2月29日以降、6500人減った。

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