メキシコの医療従事者に相次ぐ襲撃の被害 背後に新型コロナ不安

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医療従事者が標的、相次ぐ襲撃事件 メキシコ

メキシコ市(CNN) 新型コロナウイルスの流行が続く中、世界中で医師や看護師への称賛の声が高まっている。しかし中米のメキシコでは医療従事者が襲撃される事件が相次ぎ、関係者が不安を募らせている。

グアダラハラの自宅近くで犬を散歩させていたアロンドラ・ジョバンナ・トーレス医師は、背後から来た人物に突然、液体をぶちまけられた。

液体は左目に入り、首まで流れ落ちた。その刺激臭から、漂白剤を浴びせられたことに気付いた。首には焼けるような痛みを感じ、視界はかすみ、身に着けていた医療着は白く変色していた。

「ニュースで聞いてはいたけれど、まさか自分に起こるとは思わなかった」。トーレス医師はこの出来事に衝撃を受けたと振り返る。

メキシコ国家差別防止評議会の統計によると、医療従事者が襲撃される事件は3月中旬以来、全土で確認されただけで44件に上る。内容はさまざまだが、看護師や医師が顔面を殴られたり、体に熱湯をかけられるなどの被害に遭っている。

当局はこうした犯行の動機について、医療従事者がメキシコ全土でウイルスをまき散らしているといううわさに関係があるとみている。CNNの取材に応じた医師や看護師は数人が、SNSでウイルスを拡散させたと非難され、嫌がらせを受けたと訴えた。

メキシコで22日までに確認された新型コロナウイルスの症例数は1万544例、死者は約1000人に上る。

同国で新型コロナウイルス対策を指揮する保健省のウゴ・ロペスガテル次官は、「自分を守ってくれる相手に対し、恐怖や怒りなどの感情をぶつける人がいるのは憂慮すべき事態だ」と懸念を示す。

トーレス医師は、「拍手は要らないし、花ももらわなくていい。ただ、襲撃される不安を感じずに仕事をさせてほしい」と訴えている。

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