企業や飲食店に打撃、高まる差別感情 新型ウイルスが世界に拡散させる影響

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米ニューヨーク・チャイナタウンにあるレストラン。新型コロナウイルスの感染拡大が企業活動に影響を与えている/Spencer Platt/Getty Images North America/Getty Images

米ニューヨーク・チャイナタウンにあるレストラン。新型コロナウイルスの感染拡大が企業活動に影響を与えている/Spencer Platt/Getty Images North America/Getty Images

(CNN) 中国の湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスをめぐっては、まだ分からないことも多い。だが世界各国で企業や旅行者、日常生活などに予想外の影響が広がっている。

スターバックスやナイキ、高級ブランドのベルサーチを展開するカプリホールディングスは、中国国内の封鎖措置の影響で数千店が休業している。営業を続ける店舗も営業時間を短縮し、客はほとんどいなくなった。

アップルは1~3月期の業績について、予想通りの売り上げを達成できない見通しを明らかにした。

ディズニーも最大で2億8000万ドル(約310億円)の損失が出る可能性がある。上海ディズニーランド、香港ディズニーランドとも無期限で休園中。同社は2020年の業績に影響が出るとの見通しを示す。

中国で生産される車の台数は世界一多い。工場やサプライヤーの閉鎖が長引けば、世界的な打撃を与えかねない。主要自動車メーカーは部品の多くを中国から調達しており、中国は電子自動車部品の国際製造拠点とみなされている。

自動車工場は1月の春節以来、閉鎖を命じられ、多くは今も閉鎖が続く。トヨタはこのほど、少数の製造工場のみ操業を再開した。

工場が閉鎖され、外出する人が減った影響で、2020年1~3月の世界の石油需要は前年同月より43万5000バレル減る見通しとなった。国際エネルギー機関(IEA)によると、四半期比で需要が減少するのは10年ぶり。

ウイルスに対する恐怖は、人種差別や外国人嫌悪の感情もあおる。新型ウイルスの流行と関連付けて中国人が野生動物を食べる写真が出回ったが、問題の写真は流行が発生する数年前のものだった。こうした写真は、中国人や東アジア系の人に対する嫌悪感を生じさせる根拠のないうわさが広まる原因になった。

オーストラリアやカナダの中国料理店、米国各地の中華街は訪れる人が減って売り上げが激減した。ベトナムでは飲食店が「中国人お断り」の張り紙を出し、フランスの新聞は、マスク姿の中国人女性と「イエロー警報」の文字を並べた画像を掲載した。

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