中国の公立小中学校、外国の教材が使用禁止に 思想統制強化か

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公立の小中学校で、外国の教科書や小説などの利用が原則的に禁止となる/Jaime FlorCruz/CNN

公立の小中学校で、外国の教科書や小説などの利用が原則的に禁止となる/Jaime FlorCruz/CNN

香港(CNN) 中国当局はこのほど、国内の全ての公立小中学校で外国の教材を使うことを禁止する指針を発表した。対象となるのは教科書や名作小説などで、専門家からは思想的統制を強化する試みとの見方も出ている。

この指針は教育省が7日に発表したもので、学校で使う教材は「マルクス主義の指導原則を強調して、中国のやり方を反映する」必要があると規定した。

通達文では、生徒たちが「中華民族復興の大きな責任」を担えるよう、「小中学校で使う全ての教材に党と国の意思を反映しなければならない」としている。

ただし、外国の教育機関と共同で授業を行う高校には例外が適用される。

教育省はまた、教材の審査制度の厳格化も表明。「政治的な方向性や価値指向の問題」を含むとみなした場合には承認しない方針を示した。主権や宗教といった重大な思想的原則を扱う教材については、当局が執筆して学校に直接配布する。

国家教材委員会の報道官は共産党機関紙・人民日報の取材に、今回の措置について、教育制度に対する共産党の影響力を強固にする狙いがあると説明した。次の段階としては「中国思想の教育を体系化し、マルクス主義理論の研究に関する教材の作成を加速させる」方針だという。

香港中文大学の非常勤講師ウィリー・ラム氏はCNNの取材に、「中国精神を外部の影響から隔離する大がかりな取り組み」の一環との見方を示している。

中国は昨年12月、記者向けの倫理規範を改定し、共産党の権威を支えるよう要求。10月には国務院(内閣に相当)が道徳上の新たな指針を発表し、国の風紀を守るうえでの習近平(シーチンピン)国家主席の役割を強調していた。

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