香港理工大で大規模衝突 学生らが放火で警官隊を阻止
香港(CNN) 香港中心部にある香港理工大学で16日夜から、キャンパスを占拠した学生と警官隊が激しく衝突している。学生らは警官隊の動きを阻止しようと路上などで放火し、警官隊は実弾使用も辞さないとの警告を発した。
現場からの実況映像には、学生らが構内のバルコニーから正門前の警官隊に火炎瓶を投げ付けたり矢を放ったりした結果、警官隊が後退を余儀なくされる場面が映っていた。大学付近の交差点には、ごみ袋や三角コーン、れんがなどでバリケードが築かれている。
警官隊は17日、大学周辺の路上で放水車や催涙弾を使い、学生らの排除を図った。警官1人が矢を脚に受けて負傷し、病院へ運ばれた。
警察は声明で、学生グループを「暴動者」と非難した。香港では暴動罪が適用されると重い禁錮刑が科される。
警察はまたフェイスブックを通し、デモ隊が火炎瓶や弓矢による攻撃を続けるなら「最低限の武力」で対応し、実弾を使う以外に選択肢はないと警告した。
香港理工大のキャンパス付近には複数の幹線道路や、香港島への海底トンネルが通っている。トンネル付近の高架道路では17日深夜、大規模な火災が発生した。警察は声明で、デモ隊が火災を起こして市民の安全を脅かしていると述べた。
大学付近の橋でデモ隊と警察が衝突し、警察の装甲車が炎上した=17日/Anthony Kwan/Getty Images
大学当局はこれに先立ち、研究室から「危険な薬品」が盗まれたことを明らかにし、構内での「違法行為と暴力」を非難。学生らに理性的な行動を促し、「暴力などの過激な行動に訴えても問題解決には役立たない」と呼び掛けた。
香港政府は17日、先週に続いて18日も全ての学校を休校にすると発表した。