暴力集団によるデモ隊襲撃から１カ月、現場駅で座り込み　香港

（ＣＮＮ） 香港のデモ隊が犯罪組織の構成員とみられる集団に襲われた事件から２１日で１カ月となり、襲撃現場の元朗駅では同日夕、民主派による座り込みが行われた。

襲撃が起きたのは７月２１日。「逃亡犯条例」改正案に反対する繁華街でのデモが警察によって解散させられ、デモ隊が元朗に戻ったところ、鉄の棒などを振り回す集団から襲撃を受けた。

ソーシャルメディアに投稿された映像には、マスクに白いＴシャツという格好の集団がプラットホームや列車内で人々を襲う様子が映っている。現場の元朗駅は香港の最北西部に位置する。

デモ隊は警察到着まで１時間近くなすすべがない状態だったとされ、少なくとも４５人が負傷、一部は重傷を負った。

香港警察は２０日の記者会見で、事件に絡み２８人を逮捕したものの、訴追された者はいないと明らかにした。

襲撃事件から１カ月となり、現場の駅で座り込みのデモが行われた/Kin Cheung/AP

２１日夕の香港政府の声明によると、デモ隊はこの日、駅周辺の道路を封鎖。「デモ隊に繰り返し警告したものの効果がなく、警察は現在、最小限の有形力を行使して取り締まりに当たっている」という。

香港のデモは容疑者の中国本土引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案への反対がきっかけで、先週末で１１週連続となった。改正案は棚上げとなったものの、次第にデモの規模が増し、要求も完全な民主主義や警察の説明責任を求める内容に広がっている。