同性愛は石打ち処刑、窃盗は手足切断 ブルネイが厳罰法施行
(CNN) 東アジアのブルネイで3日から、イスラム法(シャリア)に基づく厳罰を規定した刑法が施行される。同性愛や不倫に対しては石打ちによる死刑、窃盗に対しては手足の切断などの刑罰が導入された。
ブルネイは2014年、東アジアで初めて国家としてイスラム法を導入した。3日から施行された刑法では、男性同士の性行為や不倫に対して石打ちによる死刑を定め、女性同士の性行為はむち打ち100回と定めた。
窃盗罪には手足の切断などの厳罰が適用され、違う性別の衣類を身に着けた場合は禁錮刑となる。
ブルネイのLGBT関係者などには不安や恐怖が広がっている。カナダに亡命を希望しているという、心と出生時の性が一致しないトランスジェンダーの女性は「ここでの生活は恐ろしくなるばかり」と語り、「特に女性にとっては悪影響が大きい」と指摘する。
新法では人工妊娠中絶に対して15年の禁錮、婚外妊娠に対しては2年以下の禁錮が導入された。
刑罰の種類は、罪に問われた人がイスラム教徒かどうかや、既婚か未婚かによっても異なる。自分は信者ではないと宣言したイスラム教徒やコーランを侮辱した人は、死刑を言い渡される可能性がある。
産油国ブルネイは人口約45万人。ハサナル・ボルキア国王(72)が全実権を握り、首相も兼務する。
今回導入された刑罰に対しては、世界各国の政府や人権団体、国際連合人権高等弁務官事務所などが強く批判。俳優のジョージ・クルーニーさんはブルネイ政府と関係のあるホテルのボイコット運動を展開している。