世界で相次ぐジャーナリストの投獄、「新たな常態に」 擁護団体が警鐘
(CNN) 報道の自由に対する権力の弾圧が世界的に問題となるなかで、米ニューヨークに本部を置く非営利組織(NPO)「ジャーナリスト保護委員会(CPJ)」は13日、過去3年間にわたり毎年少なくとも250人のペースでジャーナリストが投獄されているとする報告書を発表した。
2018年は少なくとも251人のジャーナリストが投獄されており、そのうちの7割は国家反逆罪に問われている。テロ組織とみなされるグループに関与もしくは協力したとの罪などがこれに該当する。
報告書ではこうした状況が「新たな常態」になっていると分析。世界中の国々が、体制に批判的な報道に対して「権威主義的な態度で臨んでいる」との認識を示した。
報告書を執筆したエラーナ・バイザー氏はCNNに対し「西洋諸国は元来こうした流れに抵抗してきたが、現在は手をこまぬいている」と指摘。人権問題への対応に言及し「ホワイトハウスからは何の圧力も感じられない。少なくとも表向きは」と語った。
昨年、当局に拘束されたジャーナリストの数は260人を超え、過去最高を記録した。今年の人数がこれを下回っている背景には、エチオピアで1人のジャーナリストも拘束されていないことなどが挙げられる。改革派の首相の下、同国では04年以降で初めてジャーナリストの拘束が行われていないという。
今年投獄されたジャーナリストの数を国別でみると、最多はトルコの68人。2位は中国の47人で、以下エジプトの25人、エリトリアとサウジアラビアの16人、ベトナムの11人と続く。
また「フェイク(偽)ニュース」を流した罪に問われたジャーナリストの数は全世界で28人と、2年前の9人から急増している。