ゾウ90頭の死骸発見、アフリカ南部にも密猟が拡大 ボツワナ

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ゾウ90頭の死骸発見

(CNN) ゾウ密猟の実態を調査している保護団体が、アフリカ南部のボツワナで90頭のゾウの死骸を発見したと発表した。かつてない規模で密猟が行われている同国の実態が明るみに出たと指摘している。

保護団体「エレファント・ウィズアウト・ボーダー」によると、この地域で2014年に行われた前回調査では、見つかったのはわずか9頭の死骸だった。今年7月5日から始まった今回の調査はまだ半分程度しか終わっておらず、死骸の数はさらに増える見通し。調査費用は主にボツワナの野生生物・国立公園省が拠出した。

同団体創設者のマイク・チェイス代表は、「東アフリカやモザンビーク北部の密猟は南部に広がるかもしれないと以前から警告していたが、これほどの規模とスピードでそれが起きていることに愕然(がくぜん)とした」と語る。

ボツワナの当局者は、90頭のゾウは1度に殺されたわけではないと強調。同団体が最近の調査で発見した53頭の死骸は、既に政府に報告されていたものだったと説明し、大部分は自然死などが原因だったとしている。

ボツワナに生息するゾウの頭数は推計13万頭と、アフリカの中で最も多い。近隣のアンゴラやザンビアで密猟が横行する中、長年にわたってボツワナはゾウにとって安全な国とみなされてきた。

しかしチェイス氏によると、その状況は変わりつつある。以前は象牙の密猟は国境沿いの地域にとどまっていたが、今回の調査では、北部内陸の観光地オカバンゴ・デルタにまで進出している実態が判明。密猟に関与するボツワナ市民の増加もうかがわせているという。

同氏はその原因として、アンゴラとザンビアのゾウが密猟によって絶滅寸前に追い込まれたことや、ボツワナの密猟対策部隊が今年5月から武装解除されたことを挙げている。

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