仏教徒とイスラム教徒が衝突、非常事態を宣言 スリランカ

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焼け落ちた家屋を眺める男性。街中では警官がパトロールを行っている=6日、カンディ郊外

焼け落ちた家屋を眺める男性。街中では警官がパトロールを行っている=6日、カンディ郊外

ニューデリー(CNN) スリランカ中部キャンディで多数派の仏教徒と少数派イスラム教徒の衝突が激化し、同国政府は6日、全土に非常事態宣言を出した。

スリランカの内戦が2009年に終結してから、新たに非常事態宣言が出されたのは初めて。政府報道官はCNNとのインタビューで、暴力が全土へ拡大することを防ぐのが目的だと述べた。宣言に基づき、各地へ10日以内に軍兵士が出動する。

キャンディでは4日、仏教徒の若者が死亡する事件が起きた。地元警察によると、イスラム教徒4人のグループを乗せたタクシーが、若者の運転する車と衝突。若者はグループに鉄の棒で襲われ、病院へ運ばれたが死亡した。襲った4人は警察に身柄を拘束されている。

この事件に怒った仏教徒が、イスラム教徒の商店やモスク(礼拝所)に火をつけるなどして襲撃した。

同市から約35キロ離れた街でも5日、仏教徒が民家に放火し、翌朝焼け跡からイスラム教徒の男性(28)の遺体が見つかった。

キャンディはスリランカ第2の都市で仏教の聖地としても知られ、住民の約75%を仏教徒が占める。

同報道官によると、市内の一部地区では引き続き夜間の外出が禁止され、軍部隊や警官が増派されている。

政府は5日、暴力を非難する声明を発表。ソーシャルメディアなどにイスラム教徒を攻撃し、意図的に憎悪をあおる偽情報が流れていると懸念を示した。

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