中国当局、脱北者の家族を北朝鮮に送還 夫の嘆願届かず

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中国大使館の外で抗議デモを行う人々=29日、ソウル

中国大使館の外で抗議デモを行う人々=29日、ソウル

韓国・ソウル(CNN) 脱北者の男性が中国経由で韓国に呼び寄せようとした妻が中国当局によって北朝鮮に送り返されたことが30日までに分かった。この男性がCNNに明かした。男性は先ごろ脱北した妻が中国国内で拘束されたことを受け、中国の習近平(シーチンピン)国家主席に対し、妻と合流できるよう嘆願していた。

この男性によれば、北朝鮮国内の情報筋から、中国で拘束された妻が中国国境に近い北朝鮮の新義州で勾留されていることを伝えられたという。

男性は2015年に韓国にたどり着いた。今年10月には、妻と4歳の息子の北朝鮮脱出を手配。妻と息子は脱北に成功したものの、韓国に向かう途中、中国北東部で他の8人の脱北者とともに拘束されていた。

中国は脱北者を難民とはみなさず、「不法経済移民」に分類している。この政策により、脱北者は北朝鮮に送還されることが多い。北朝鮮に送り返された脱北者は処罰を受けることがほぼ確実だ。

男性は妻が中国国内で拘束されたことを知り、妻と合流させてほしいと習主席に訴えていた。

だが脱北者の手助けに取り組んでいる韓国人牧師によると、北朝鮮国内の2人目の情報筋も、男性の妻が同国に戻っていることを確認したという。

男性は在ソウル中国大使館前で29日に行われたデモの際、CNNの取材に、「私は一生罪の意識を背負って暮らしていくことになる。本当に心が痛く、深い孤独を感じている」と言及。「韓国に呼び寄せようとした私の決断のせいで、妻は政治犯収容所に送られ、息子は幸運にも生き延びたとしても、孤児院に送られることになるだろう」と話した。

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