日本は移民なしで生き残れるか<2> 閉ざされた扉

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

東京(CNN) こうした日本の閉鎖的な姿勢は今に始まったことではない。日本は過去に「鎖国」していた時代もある。

前回「日本は移民なしで生き残れるか<1> 『超高齢』国家」はこちら

日本は鎖国をしていた1641年から1853年までの間、国民の出国と外国人の入国を禁じた。しかし、中国とオランダの商人だけは九州・長崎の港への出入りを許された。

また日本は、1955年から1973年までの高度経済成長期も外国人労働者に頼らなかった。ただ、名城大学法学部教授で移民の専門家である近藤敦氏によると、1980年代の終わりに一度だけ、人手不足の悪化が懸念され、外国人労働者の受け入れの可能性が議論されたことがあるという。

そして1988年以降、厚生労働省(1988年当時は労働省)は高度な技能や能力のあるごく少数の外国人を歓迎してきた。また1990年代には、日系人(外国に移住した日本人の子孫)を対象とした特別なビザ制度で日本への帰国を促し始めた。

しかし、未熟練労働者に対しては依然として扉は閉ざされたままだ。

安倍首相はこれまで、2020年の東京オリンピックで使用する建物の建設に携わる「外国人技能者」の必要性に言及してきたが、2014年4月に開催された会議で、これを移民政策の実施と誤解されてはならないと述べた。

また外国人技能実習生の受け入れプログラムも厳しい批判にさらされている。

このプログラムでは、主に中国や東南アジア出身の労働者が、日本で農業や製造業に従事するために来日する。各労働者が母国に持ち帰れる技能を習得するのが目的とされるが、専門家からは、一部の外国人労働者が搾取されたりするなどの批判の声が上がっている。

移民の権利を求めて闘ってきた鳥井一平氏は、来日を希望する外国人肉体労働者向けのビザがあれば日本の人手不足は解消すると主張する。

「World」のニュース

Video

Photo

注目ニュース

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]