インド最高裁、イスラム男性の一方的離婚に「違憲」の判断

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ファルハさん(一番右)は夫が縁日に子どもから花火を買ってとせがまれて怒り、「タラク」と3回唱えられた

ファルハさん(一番右)は夫が縁日に子どもから花火を買ってとせがまれて怒り、「タラク」と3回唱えられた

(CNN) インド最高裁は22日、イスラム教徒の夫が妻に対して一方的に離婚を宣言できる制度について違憲との判断を下した。

問題になっていたのは、イスラム社会に1000年以上前から伝わる制度。アラビア語で離婚を意味する「タラク」という言葉を夫が3回唱えるだけで、離婚が成立したとみなされる。

最高裁では判事5人のうち3人が違憲と判断。担当の弁護士は、全員一致でなかったことに「がっかりした」と述べた。残り2人の判事は反対意見の中で、この制度を正式に禁止するかは議会の判断に委ねられているとの認識を示した。

最高裁の審理は5月に始まり、同月中に結審したものの、判決は先送りされていた。

インドで活動するイスラム女性団体の指導者は判決を歓迎し、「人口の8%に関わる10年かけた闘争だった。本当にほっとした」と述べた。

インドにいるイスラム教徒の数は世界第2位。パキスタン、バングラデシュ、インドネシアなどイスラム人口の多い国では、すでにこの離婚制度を禁止する法律が成立している。

「タラク」を唱える制度はイスラム教でもともと、夫が熟慮を重ね数週間かけて行われる手続きが想定されていた。しかし今日では、夫が怒りにまかせて口にしたり、スマートフォンのメッセージアプリで言い渡したりするケースも多い。

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