米LA出航のクルーズ船、134人が胃腸の不調訴え 原因不明

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CDCの船舶衛生プログラム(VSP)では今年これまでに、胃腸疾患の集団発生を18件確認している/Joe Raedle/Getty Images/FILE

CDCの船舶衛生プログラム(VSP)では今年これまでに、胃腸疾患の集団発生を18件確認している/Joe Raedle/Getty Images/FILE

(CNN) 今月4日に米ロサンゼルスを出航したロイヤル・カリビアンのクルーズ船「ナビゲーター・オブ・ザ・シーズ」で、130人を超える乗客が胃腸の不調を訴えたことが分かった。現時点で原因は特定されていない。

米疾病対策センター(CDC)によると、体調不良を訴えたのは134人。これは乗客名簿に記載された全3900人の3.4%に当たる。乗員全1266人のうち7人も体調を崩したという。

今回の集団発症については11日、クルーズ船が1週間の航海を終えてロサンゼルスに戻った際、CDCの船舶衛生プログラム(VSP)に報告された。

VSPがまとめた記録によれば、プログラムの対象となるクルーズ船では今年これまでに、胃腸疾患の集団発生が18件確認されており、大半はノロウイルスに関連している。

CDCの記録によると、これは昨年1年間を通じて報告された集団発症の件数と同数。

今回のクルーズ船で集団発症が起きた原因は不明だが、CDCは今週、乗客が下痢や嘔吐(おうと)、腹痛を訴えたことを明らかにした。

4月には別の客船「クイーン・メリー2」で、乗客およそ250人が感染力の強いノロウイルスへの罹患を報告していた。

米バンダービルト大学医療センターの感染症専門家ウィリアム・シャフナー氏は今年、CNN Travelの取材に対し、ノロウイルスは「クルーズ船ウイルス」として知られていると説明した。

ノロウイルスは容易に拡散し、クルーズ船のような閉鎖空間では特に感染しやすいためだ。こうした集団感染は学校や刑務所など、大勢の人が密集する場所ならどこでも頻繁に発生する。

ただ、CDCはこれまでのところ、ナビゲーター・オブ・ザ・シーズで起きた集団発症の原因がノロウイルスかどうか特定していない。

ロイヤル・カリビアン・グループの広報はCNN Travelに「乗客や乗員、寄港地のコミュニティーの健康と安全が我々の最優先事項だ」と説明。「船内での最高水準の健康と安全を支える環境を維持するため、我々は厳格な清掃手順を実施しており、その多くは公衆衛生ガイドラインを優にクリアしている」と述べた。

CDCによれば、ロイヤル・カリビアンからは、発症者の隔離後に清掃と消毒の手順を強化し、感染者から検体を採取したとの報告があったという。

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