米大統領の就任式で披露された詩、公立学校で閲覧制限の対象に フロリダ州

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詩を朗読するアマンダ・ゴーマンさん=2021年1月20日、米ワシントンDCの連邦議会議事堂前/Alex Wong/Getty Images

詩を朗読するアマンダ・ゴーマンさん=2021年1月20日、米ワシントンDCの連邦議会議事堂前/Alex Wong/Getty Images

(CNN) 米詩人のアマンダ・ゴーマンさんがバイデン大統領の就任式のために書いた詩が、フロリダ州マイアミデード郡の公立学校でこのほど、閲覧制限の対象となった。児童の保護者から苦情があり、学校側が検証した結果だという。当該の学区が23日に確認した。

閲覧制限を実施したのは同郡マイアミレークにある幼稚園児から8年生までが通う学校。児童の保護者が「私たちの登る丘」と題されたゴーマンさんの詩に反対する苦情を申し立てたことに対応した。CNNが本物と確認した申立書によると、詩の作者は誤ってテレビ司会者のオプラ・ウィンフリーさんと記載されていたという。

保護者はこの詩が「教育的ではなく、間接的な憎悪のメッセージを含む」と主張。「混乱を引き起こし、児童を洗脳する」ものだと付け加えた。

この保護者は黒人の詩人やキューバに関する他の図書についても同様の苦情を申し立てていた。

教材に関する検証を行う校内の委員会は、当該の図書を学校全体から撤去する措置は取らず、中学生向けのコーナーに移動させる決定を下した。非営利団体が入手した同委員会の4月の議事録から明らかになった。

フロリダ州の法律では、学校内に置く書籍に関して、州教育省の研修を受けたメディア専門家の事前承認を受けることを義務付けるほか、保護者に対しても特定の作品について苦情を申し立てる権利を認めている。こうした法律を適用することで、同州ではこれまでにも性的少数者や社会正義を扱った書籍に対して禁止措置が取られてきた。算数の教科書の採用が却下されたことさえある。

ゴーマンさんは22歳だった2021年、バイデン大統領の就任式で「私たちの登る丘」を朗読。700語の詩の中で、正義と社会変革の必要性を語っていた。

ゴーマンさんは23日に声明を出し、学校側の決定に「打ちのめされた」と思いを吐露。「文学の中に自分の声を見出す機会を子どもたちから奪うのは、彼らの思想と言論の自由に対する侵害だ」と批判した。

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