危険物積載の米列車脱線事故、他州にも懸念広がる 現地の化学物質測定は通常値超え

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脱線事故で生じた危険廃棄物の他州への輸送を巡り、知事らの間で懸念が広がっている/Alan Freed/Reuters

脱線事故で生じた危険廃棄物の他州への輸送を巡り、知事らの間で懸念が広がっている/Alan Freed/Reuters

(CNN) 米オハイオ州とペンシルベニア州の州境付近で先月3日、危険物を積んだ鉄道列車が脱線する事故が起きた問題で、事故の影響がさらに多くの州へと拡大していることが2日までに分かった。また科学者らが現地のオハイオ州イーストパレスタインで検査を行った結果、一部の化学物質については通常より高い濃度が検出されたという。

インディアナ州のホルコム知事は、ノーフォーク・サザン鉄道の運行する列車による当該の脱線事故で生じた危険廃棄物や有毒化学物質が自身の州に運ばれようとしていることに驚きを表明した。現場の州以外の当局者らからはこうした見解が相次いでいる。

同知事は先月28日に声明を出し、それらの物質が自身の州に輸送される可能性があることを前日に把握したと説明。環境部門の責任者に対し、米環境保護庁(EPA)に連絡を取るよう指示したと述べた。

その上で、それらの物質は最も近くに位置する施設に運ばれるべきだと述べ、オハイオ州の最東端からインディアナ州の最西端まで移動させることに異議を唱えた。また物質の輸送と処理について具体的にどのような予防措置がとられる予定なのか知りたいと付け加えた。

危険廃棄物を巡っては、先週テキサス州とミシガン州に予想外の輸送が行われた。EPAは同社に輸送をやめるよう指示、オハイオ州の2つの施設で安全に処理することを承認した。

さらにインディアナ州の埋め立て施設とオハイオ州の焼却施設も28日から汚染廃棄物を受け入れるとEPAの担当者は述べていた。この担当者によると、インディアナ州の当局者や提携業者らは同州への廃棄物の輸送について、EPAの承認前に通知を受けていたという。

しかしEPAのリーガン長官は、同庁が現在複数の当局に向けて廃棄物輸送に関する「注意喚起」を行うための措置を進めている最中だと明かした。ノーフォーク・サザンに対し、移動を予定する危険物質に関して説明責任をとらせる方策も検討中だとしている。

一方、ペンシルベニア州のシャピロ知事は28日、州の保健省がビーバー郡に医療資源センターを開設するとツイート。これにより住民は、公衆衛生の専門家への相談や井戸水の検査への登録のほか、現地でどのような支援を受けられるのか把握することも可能になると説明した。ビーバー郡は、イーストパレスタインと州境を挟んだすぐ近くに位置する。

新たなデータ分析の結果、EPAが測定した数十の化学物質のうち9つは、イーストパレスタインで通常検出される水準を上回っていることが示唆された。テキサスA&M大学とカーネギー・メロン大学の科学者らが明らかにした。

一部の化学物質が高い濃度を維持した場合、住民の健康への脅威が時間と共に現れる恐れがあると科学者らは指摘。気温の変化や強風が化学物質をかき回し、大気中に放出する可能性もあるとした。

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