バイデン氏の歴史的かつリスキーなキーウ訪問、計画に数カ月 最後まで秘密に

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バイデン氏のウクライナ訪問の計画は、一握りの側近たちが数カ月秘密裏に進めてきた/Handout/Ukrainian Presidential Press Office/Getty Images

バイデン氏のウクライナ訪問の計画は、一握りの側近たちが数カ月秘密裏に進めてきた/Handout/Ukrainian Presidential Press Office/Getty Images

(CNN) 米国のバイデン大統領の電撃的なウクライナ訪問は、数カ月にわたる計画とごく一握りの側近らのみによる秘密裏の検討を経て実現した。これらの側近はかなり以前から、このタイミングでウクライナ首都キーウ(キエフ)を訪れることの象徴的な重要性を理解していた。ロシアは約1年前ウクライナに侵攻し、同市の制圧を試みている。

バイデン氏は20日の同市訪問中、「1年後もキーウは立っている」「ウクライナも立っている。民主主義も立っている」と述べた。

最後まで秘密

バイデン氏の訪問計画を秘密にしておくため、ホワイトハウスの関係者の一部は普通では考えられない措置を取らなくてはならなかった。外遊までの数週間、バイデン氏本人と最側近らは再三、ウクライナ行きの可能性を一蹴。彼らはあらゆる方法を駆使してこの姿勢を維持し、バイデン氏の予想外のキーウ到着直前までそれが崩れることはなかった。

訪問が秘密にされた要因の一部は、元々流動的だった渡航計画自体の性質にある。ごく一握りのホワイトハウス当局者らは計画の実現性に自信を深めていたもの、米国が領空権を持たない交戦地帯に大統領を送り込むことには大きな不安もあった。

最終決定は17日夜、大統領執務室での会議で下された。そこでバイデン氏が最終的なゴーサインを出した。いったん渡航が始まると、米当局者らはロシア政府に計画を通知。これは「衝突回避」の試みであり、バイデン氏が現地入りしている間に想定外の惨事を起こさせないことを念頭に置いていた。

鉄道で10時間かけウクライナ入り

バイデン氏を乗せた機体はドイツにある米軍基地で燃料を補給し、ポーランドへ向けて飛行を継続。バイデン氏はウクライナ国境近くの町ジェシュフに降り立った。この町には昨年3月にも訪れ、現地に配備された米軍の活動やウクライナからの難民に対する人道支援を視察していた。

今回は少数の顧問団やシークレットサービス(大統領警護隊)とともにそこからキーウ行きの列車に乗車。およそ10時間かけて紛争の舞台となった国の中心部に入った。

バイデン氏は昨年3月のジェシュフ訪問の際にも、ウクライナにまで足を延ばすことを希望していた。侵攻開始以降、同氏に先駆けてこれまで数多くの海外首脳がウクライナ訪問を果たしている。

計算されたリスク

数カ月にわたりキーウ訪問計画の説明を受ける間、バイデン氏が懸念を示したのは1度だけだったとされる。それも訪問がどの程度他者に危険を及ぼし得るかという問題についてであり、自分自身の安全に関するものではなかった。一方当局者らはバイデン氏自身の安全を極度に懸念し、渡航に当たって一連の緊急対応策を準備した。

ホワイトハウスのベディングフィールド広報部長は、「このリスクは、ジョー・バイデン氏が取ることを望んだものだった」と説明。「同氏にとっては、現地に姿を見せることが重要だ。たとえそれが難しいとしても。だから自身のチームに実行を命令した。計画がどれほど困難だろうと関係なかった」と述べた。

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