米、イスラエルで備蓄の武器弾薬をウクライナへ転用

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東部ドネツク州の前線でM777榴弾砲を発射するウクライナ軍の兵士/Serhii Nuzhnenko/Radio Free Europe/Reuters

東部ドネツク州の前線でM777榴弾砲を発射するウクライナ軍の兵士/Serhii Nuzhnenko/Radio Free Europe/Reuters

(CNN) 米政府がウクライナ戦争を受けイスラエル内に備蓄していた武器弾薬の一部をウクライナ向けに転用させていたことが21日までにわかった。

米国、イスラエル両国当局者がCNNの取材に明かした。移送は両国政府の合意に基づくとしウクライナへ差し向けたのは総量が30万発に達する155ミリ砲弾の一部とし、今後数週間内に残っている分も動かすことを予定しているとした。

イスラエル軍の報道官はCNNの取材に、保管している武器弾薬について米側から移動させているとの連絡が最近あったことを確認。武器弾薬は米国が保有しているものであり、処理は米側の問題でありイスラエル側の認可は不要との立場を示した。

この問題を最初に報じた米紙ニューヨーク・タイムズは、イスラエル政府当局者は当初、ウクライナ戦争への直接的な関与者と受け止められかねない武器弾薬の移送に難色を示したとも伝えた。

ロシアによるウクライナ侵攻に際してイスラエル政府は慎重な配慮をうかがわせる外交対応を見せている。国連の場でウクライナ支援を表明して侵略行為を非難し、人道援助の付与や避難民受け入れには応じながらも、自らの安全保障対策上の機微を踏まえ軍事援助は差し控える立場を打ち出している。

新たな連立政権を昨年末に樹立させたネタニヤフ首相はウクライナ戦争に対する政策の検討も表明した。

バイデン米政権はウクライナへの軍事援助を相次いで打ち出しているが、需要に対応し得る米軍需産業の生産能力の整備も迫られている。米政府当局者は以前、一部の兵器の備蓄量はウクライナへの支援継続で萎んでおり、提供に回せる余剰分にもいずれ限界がくるとの見方も示していた。

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