傭兵会社ワグネルの影響力拡大か、北朝鮮から兵器を受領 米当局

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ロシアのPMCワグネル・センター。ワグネルが北朝鮮から兵器を受け取ったとみられている/Igor Russak/Reuters

ロシアのPMCワグネル・センター。ワグネルが北朝鮮から兵器を受け取ったとみられている/Igor Russak/Reuters

(CNN) 新たに機密区分が格下げされた米国の諜報(ちょうほう)によると、ロシアの傭兵(ようへい)会社「ワグネル」が影響力を拡大しているとみられる。苦境にあるロシア軍の戦力を補うため、刑務所から重病者を含む受刑者を採用するケースもあるという。

また米高官は、ワグネルが先ごろ北朝鮮から兵器を受け取ったと指摘した。これはウクライナの戦争でワグネルの役割が拡大している兆候といえる。

米国の見方では、ワグネルはクレムリン(ロシア大統領府)への影響力を得ようと画策しており、ロシア軍と権力闘争を繰り広げている可能性もある。

米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報担当調整官は、「ロシア軍の当局者がワグネルの命令に従属している例も一部にある」と説明。「ワグネルがロシア軍や他の省庁と競合する権力の中枢として台頭しつつあることは明らかだ」と指摘した。

ワグネルは開始から10カ月となるウクライナでの紛争で主要な勢力として台頭した。プーチン大統領の非公式の部隊と言われることも多い。2014年の創設以降、世界で存在感を拡大しており、アフリカやシリア、ウクライナで戦争犯罪に及んだと非難されている。

カービー氏によると、米国の推定ではワグネルは現時点でウクライナに5万人の要員を展開しており、そのうち4万人はロシアの刑務所から採用された受刑者の可能性がある。ウクライナでの活動に月1億ドル(約132億円)を投じているという。

ワグネルの創設者、エフゲニー・プリゴジン氏が自らロシアの刑務所に出向き、前線で戦う受刑者の採用を試みるケースもある。その一部は重病を抱えた受刑者だという。

カービー氏によると、ワグネルは先月、歩兵用のロケットやミサイルを北朝鮮から受領した。代金はロシア政府ではなくワグネルが支払った。米国はこれがウクライナでの戦況に大きな変化をもたらすとは見ていないものの、北朝鮮がさらなる物資の輸出を計画している可能性を示唆した。

プリゴジン氏は22日、ワグネルが北朝鮮から兵器を受け取ったとのカービー氏の主張に触れ、「ゴシップや臆測に過ぎない」としている。

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