核融合で投入上回るエネルギー生み出す「歴史的成果」 米エネルギー省

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国立点火施設の前置増幅器支持構造の内部。画像は色加工済み/Damien Jemison/Lawrence Livermore National Laboratory

国立点火施設の前置増幅器支持構造の内部。画像は色加工済み/Damien Jemison/Lawrence Livermore National Laboratory

(CNN) 米エネルギー省は13日、核融合の実験を行い、投入したレーザーのエネルギーを上回るエネルギーを生成することに初めて成功したと発表した。歴史に残る成果だとしている。

いわゆる「正味のエネルギー利得」は、核融合からクリーンで無限のエネルギーを得ることを目標とした何十年にもわたる取り組みにおける大きな成果だ。核融合反応は2つ以上の原子が融合して起きる。

実験では2.05メガジュールのエネルギーを供給し、出力は供給を50%超上回る3.15メガジュールだった。実験で出力が有意義なエネルギーの利得が得られたのは初めて。

今回の実験はカリフォルニア州にあるローレンスリバモア国立研究所の国立点火施設で今月5日に行われた。同施設は競技場ほどの大きさで、192個のレーザーを備える。

米エネルギー省のグランホルム長官は、リバモア国立研究所やその他の国立研究所の科学者が「気候変動と闘うためのクリーンエネルギーの供給や、核実験を伴わない核抑止力の維持など、人類が抱える最も複雑で差し迫った問題を解決する」のに役立つ仕事をしていると評価した。

リバモア国立研究所のキム・ブディル所長は、同研究所で核融合の点火を実現するという試みについて「人類がこれまでに取り組んだ科学分野における最も重要な課題の一つ」と位置付けた。

ブディル氏は声明で「この達成は科学、工学、そして何よりも人類の勝利だ」「この基準を超えることが60年にわたる献身的な追求を駆り立ててきたビジョンだ」などと述べた。

カリフォルニア州選出の民主党上院議員、アレックス・パディーラ氏は「この途方もない科学的な進歩はクリーンエネルギーの未来にとって快挙だ」と称賛した。

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