トランプ氏、FBIの証拠捏造を示唆した発言で釈明不要に 判事が文書検証役の計画を変更

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集会で登壇したトランプ氏=17日、米オハイオ州ヤングスタウン/Gaelen Morse/Reuters

集会で登壇したトランプ氏=17日、米オハイオ州ヤングスタウン/Gaelen Morse/Reuters

(CNN) 米連邦捜査局(FBI)がフロリダ州にあるトランプ前大統領の自宅「マール・ア・ラーゴ」から文書を押収した捜査を巡りトランプ氏が争っている裁判で、連邦地裁判事は29日、押収文書を中立な立場から確認する特別補佐官(スペシャル・マスター)の提出した計画を変更し、トランプ氏に有利な形となる判断を下した。

特別補佐官を務めるレイモンド・ディアリー氏は、トランプ氏が裁判外で発表した声明文で、FBIによってマール・ア・ラーゴに証拠を埋め込まれたと示唆したことを受け、トランプ氏に本気でそう信じているのか証言を求めることなどを計画に記していた。特別補佐官を任命したアイリーン・キャノン判事は計画の一部を変更し、トランプ氏が気の進まない証言を法廷で求められる部分が削られる形となった。

ディアリー氏はキャノン氏に比べてトランプ氏の主張に同調的ではない。キャノン氏はトランプ氏に2020年に判事に指名され、同年11月の大統領選後に上院が承認した人物。

キャノン氏は、特別補佐官を任命した自身の命令について、押収文書の目録が正確かを証明する宣言を政府に提出させる点のみを考慮したものであると言及。原告側に対して現時点で別個の反論を求める要求を行うべきではないと判断した。

キャノン氏はまた、トランプ氏が大統領特権で保護されると主張する文書について、行政内部での開示が禁止されるのか、または行政外への開示が禁じられるのかを明確に分類するようにディアリー氏がトランプ氏に求めた部分も削除した。トランプ氏はこうした分類を行うことに反対していた。キャノン氏は計画のうち、その他の分類を求める部分については認めた。

文書の確認作業を少なくとも半月遅らせることも決まった。キャノン氏は、当事者が文書のデジタル化を請け負う業者を確保できていない点を指摘した。

特別補佐官による検証の終了後にトランプ氏が文書の返還を求める訴えを起こす場合、キャノン氏が処理することも明確となった。

スケジュールの遅れやその他の点が司法省の捜査に及ぼす影響は不明だ。司法省はトランプ政権時代のホワイトハウスから持ち出された文書の扱いについて、犯罪行為がないか調べを進めている。

第11連邦巡回区控訴裁判所は今月、機密文書のマークがある文書の刑事捜査を再開することを認めている。これが捜査の根幹にかかわる部分となる可能性が高い。

捜査官は裁判所に提出した文書の中で、こうした政府の重要書類がマール・ア・ラーゴで別の文書と混在していた状況の把握に注力していると明らかにしている。

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