ウクライナ軍の戦果に慎重姿勢も諜報共有の拡大評価、米分析

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ウクライナ南部ヘルソン州の道路脇に配備されたロシア軍/Olga Maltseva/AFP/Getty Images

ウクライナ南部ヘルソン州の道路脇に配備されたロシア軍/Olga Maltseva/AFP/Getty Images

(CNN) 米国防総省当局者は22日までに、ウクライナ軍が同国東部、西部の両戦線で最近得た戦果に関連し、米国の支援を受けたウクライナ軍による「巧みな作戦の遂行の結果」とみられるとの判断を示した。

背景要因の一つとして、ウクライナ側が過去数カ月間、米国との諜報(ちょうほう)共有に積極性を見せていたことに触れた。結果的に戦闘現場での作戦立案で米当局者がウクライナ側を手助け出来ることにつながったとした。

ウクライナのゼレンスキー大統領に近い筋は、軍事衝突が始まった初期に比べ米国とウクライナの間の信頼関係はより強まったと指摘。「ウクライナ側は(諜報の)分かち合いが広がるほど、見返りが多くなる可能性を知った」とも述べた。

米軍筋は「両国間における政治面や軍事面での計画作成では様々なレベルで活発な接触が交わされていた」と説明。軍事計画などでの透明性が相当な水準で築かれたとした。

その上で、ウクライナ軍が反転攻勢を仕掛けた南部ヘルソン州の状況に言及。ウクライナ側は反撃に踏み切る前の数カ月間、自らの狙いを電報などで説明してきたことも明かした。

ロシア軍は侵攻当初に占領した地域の防衛などに割ける時間的余裕を持っていたものの、ウクライナ軍は段階を踏んだ巧妙な進撃作戦を取り入れたともした。崩壊しつつあるロシア軍の防御ラインを急いで突破しなかったとも述べた。

一部の軍事専門家らはウクライナ軍によるヘルソン州での軍事作戦をロシア軍の注視を占領するウクライナ東部ハルキウ州からそらす狙いがあったとも述べた。ただ、同州での反撃は十分な防御態勢になかったロシア軍に不意打ちを食らわす形にもなったとした。ウクライナ軍はハルキウ州の作戦でロシアが占領していた地域の多くの奪還にも成功していた。

ただ、米国防総省当局者はウクライナ軍による迅速な領土奪回を戦争の結末に至る転換点あるいは重大局面と位置づけることには慎重な姿勢を見せた。

「我々が戦闘の強度を増やしているとみられないことがより重要になっている」との認識を表明。ロシア軍はまだ、大規模な火力、人的資源や装備をウクライナでの戦闘に投入出来る能力を有しているとし、ウクライナ軍が今月手にした勝利は戦争の行方を決めたわけではないと強調。

軍事的な観点から言えば、特別な意味を帯びる戦闘の勝敗を決める重要な時期や場所で動員出来なかったとしても、ロシアは豊富な人的資源を依然抱えているとも述べた。

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