トランプ陣営の「偽の選挙人」が運動員を選管事務所に案内、投票システムの侵入発生日に

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トランプ陣営の「偽の選挙人」が運動員を選管事務所に案内、映像入手

(CNN) 米ジョージア州の共和党郡関係者が昨年1月、投票システムへの侵入があった日に、トランプ前大統領の弁護士と協力する運動員2人を郡の選挙管理事務所に案内していたことが、CNNが新たに入手したビデオで明らかになった。

投票システムへの侵入は現在、ジョージア州捜査局が調査中で、2020年大統領選挙への干渉について広範な調査を行っているフルトン郡地方検事も注目している。

このビデオは、不正投票の証拠を探そうとするトランプ陣営の弁護士らが主導した取り組みが、ジョージア、ミシガン、コロラドの各州でトランプ氏支持の地元当局者の支援を受けながらどのように現場で実行されたかについて、実態を知る手がかりとなる。

CNNが入手した監視カメラの映像では、20年に偽の選挙人を装ったとして捜査を受けているコーヒー郡の元共和党委員長キャシー・レイサム氏が、同郡の投票システムが侵入された21年1月7日に、親トランプの運動員チームを同郡の選挙管理事務所に案内している。

レイサム氏とともにビデオに映っているスコット・ホール氏とポール・マッジオ氏の2人は、トランプ氏の弁護士シドニー・パウエル氏の指示でコーヒー郡の投票機にアクセスしたことを認めている。

ジョージア州の投票システムのセキュリティーに関する長期にわたる民事訴訟の一環として提出されたテキストメッセージ、電子メール、目撃者の証言で、レイサム氏はシステム侵入の前後に事務所入室について当時のコーヒー郡の選挙管理者と直接やり取りしていたことが示されている。

裁判資料によると、あるテキストメッセージではレイサム氏がパウエル氏の指示でコーヒー郡に出向いた「ポール・マッジオ氏率いる」チームの到着と居場所を調整している。

投票システム侵入の3日後、レイサム氏はコーヒー郡の選挙管理者に「スキャナーは終わったか」と尋ねるテキストメッセージを送っている。裁判資料によると、レイサム氏は、ホール氏がコーヒー郡で何をしていたのか知らなかったと証言している。しかしスキャン作業に関するメッセージを突きつけられると、レイサム氏は憲法修正第5条の自己負罪拒否特権を主張した。

マッジオ氏はCNNのコメント要請に応じなかった。代わりに、同氏が勤めるデータ会社サリバンストリックラーはCNNへの声明で、ジョージア州で「特定のデータへのアクセスを得るために郡の選挙管理者に連絡するよう弁護士から指示された」と述べ、さらに「特定の個人にそのデータを送るよう弁護士から指示された」と述べた。裁判資料では、サリバンストリックラーはパウエル氏が雇ったことになっている。

サリバンストリックラーの弁護士は先月29日の電子メールで、チームのコーヒー郡訪問の調整でレイサム氏が「主要な連絡先」だったことを認めている。

同社は弁護士が「不適切または違法なこと」を依頼または指示すると考える理由はないと述べた。

ホール氏もCNNのコメント要請に応じなかった。同氏はジョージア州アトランタの保釈保証業者で、フルトン郡の共和党選挙監視人を務めていた。

投票システムに関してジョージア州を訴えている公正選挙を求めるグループの代理人で、ビデオを確認した弁護士のデイビッド・クロス氏は「キャシー・レイサム氏が、コーヒー郡におけるサリバンストリックラーのチームの作業で、自分が主張した以上に重要な役割を担っていたことがビデオで示されている」と述べた。

裁判資料によると、レイサム氏は侵入への関与や、侵入発生時に現場にいたかに関する証言で矛盾した回答をしている。司法省は外部の人間のアクセスを認めないように選挙関係者に警告していた。

レイサム氏はCNNのコメント要請に応じなかった。代理人弁護士の1人は、この話の事実部分について争う姿勢を見せなかったが、同氏が投票に関して他人に何かを認める権限を有していなかったと述べた。別の弁護士は「レイサム氏は投票用紙のスキャン作業、コンピューター画像取得といった行為を許可したり参加したりしていない」と語った。

トランプ陣営や弁護団につながりのある運動員は、いくつかの州の複数の郡で投票システムにアクセスしようと、地元の共和党関係者と協力した。そうした活動の目的は、根拠を欠くトランプ氏の主張を支えるための証拠を見つけ、たとえ昨年1月6日の選挙結果の認証後でもバイデン大統領の勝利をひっくり返すことにあった。

CNNが入手した音声の中で、ホール氏は「我々はすべての妙な投票用紙をスキャンした」と発言。同じチームがミシガン州アントリム郡でも投票機にアクセスしたことを示唆する発言もあった。

ホール氏はさらに、コーヒー郡を訪れたチームが「すべての装置をスキャンし、ハードドライブの全てを写し、すべての票をスキャンした」とも述べた。

マッジオ氏も両郡での作業に関わっていたことが、アントリム郡の投票システムの検査に関連する文書や、民事訴訟の同氏証言から明らかとなっている。

ホール氏は、同氏を含むチームが、地元の選挙当局者から投票システムへのアクセス許可を得ていたと主張している。

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