米国でサル痘の検査進まず、「衝撃的」な需要不足 専門家

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米国でサル痘の検査が進まない実態が明らかになった/Karen Ducey/Getty Images

米国でサル痘の検査が進まない実態が明らかになった/Karen Ducey/Getty Images

(CNN) 米国のほぼ全てのサル痘検査を担う5カ所の民間検査施設で、感染拡大抑制に不可欠な検査の滑り出しが鈍いことが、CNNの調査で明らかになった。

メイヨークリニック・ラボラトリーズではサル痘の検体を1週間に1000点検査する能力があるが、今月11日の検査開始後に医師から受け取った検体はわずか45点にとどまる。

イージス・サイエンシズでは週5000件の検査が可能だが、過去2週間で受け取った検体はゼロ。米国最大規模の民間検査施設であるラボコープの幹部によると、同施設への提出数はもっと多いものの、それでも依然「極めて少ない」水準にとどまっているという。

カリフォルニア州公衆衛生局のサル痘諮問委員会に名を連ねるピーター・チンホン医師は、こうした数字は「衝撃的」だと指摘する。

チンホン氏は「大変憂慮すべき状況」との見方を示し、新型コロナウイルスの検査数が極めて限られていたパンデミック(世界的大流行)初期の状況を念頭に、「まるでコロナの悪夢の再来だ」と語った。ただ、コロナの場合は検査能力が低かったが、サル痘の場合、検査能力は豊富にあるものの検査需要が少ないという点で違いがある。

米国初のサル痘の症例は5月17日に報告された。その後ウイルスは急速に拡大し、感染の疑いがある症例や感染が確認された症例は4639件に急増。患者はほぼ全員、男性と性行為をする男性だという。

バイデン大統領の首席医療顧問を務めるアンソニー・ファウチ氏は26日、CNNの取材に、検査が政権のサル痘対応の「柱」になると語った。ファウチ氏らは国民に対し、米国各地の研究所には合わせて週8万点の検体を処理する能力があると説明。その大半に当たる週7万点の検査能力は民間の研究施設が持つ。

米国では昨年まで、サル痘の症例数はわずか数十件だった。他の新たな病原体が出現したときと同様、米疾病対策センター(CDC)はサル痘の検出方法や検査の注文方法、治療法について医療機関への啓発を進めている。

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