28年前の殺人事件で死刑執行、中止求めた被害者遺族の願いかなわず 米

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ジョー・ジェームズ死刑囚の刑が28日に執行された/Alabama Department of Correction/AP

ジョー・ジェームズ死刑囚の刑が28日に執行された/Alabama Department of Correction/AP

(CNN) 米アラバマ州で28日、1994年の殺人事件で有罪を言い渡されたジョー・ジェームズ死刑囚の死刑が執行された。ジェームズ死刑囚については、殺害された女性の遺族が死刑を執行しないよう求めていた。

ジェームズ死刑囚は、交際相手だったフェイス・ホール・スミスさん(当時26)を射殺した罪に問われ、死刑を言い渡された。

スミスさんの娘のターリン・ホールさんは今週、CNN提携局WBMAの取材に応じ、ジェームズ死刑囚の刑が仮釈放なしの終身刑に減刑されることを遺族は望んでいると語った。

殺害されたスミスさんについて、ホールさんは「愛情にあふれた寛大な人だった」と形容。「もし生きていたら、またはこうした状況に置かれたら、きっと許したいと思うはず」と話し、「(死刑は)求められていないと思う。それで母が返ってくるわけではないから」と言い添えた。

スミスさんの兄弟のヘルベティウス・ホールさんも「彼はひどいことをした」とした上で、「彼はもう十分に苦しんだ。彼の命を奪っても、私たちが楽になることはない」と地元メディアに語った。

裁判記録によると、ジェームズ死刑囚はスミスさんと別れた後もつきまとって嫌がらせを続け、自宅に押しかけてスミスさんと元夫を殺すと脅迫。94年、スミスさんの跡を付け、友人の家で銃撃して殺害した。

96年の一審判決で陪審は殺人罪での有罪を認め死刑を勧告したが、アラバマ州控訴裁は証拠に不備があったとしてこの判決を覆した。

再審を前に弁護団は、有罪を認めることと引き換えに終身刑に減刑する司法取引を計画したが、ジェームズ死刑囚はこの計画を拒否。再審で99年に再び死刑が宣告され州控訴裁もその判断を認めた。2020年には連邦控訴裁が非効果的な弁護があったとのジェームズ死刑囚の主張を退け、判決を維持した。

死刑執行の中止を求める申し立ては26日、第11巡回区連邦控訴裁に退けられた。

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