バイデン米政権、訪台計画のペロシ下院議長にリスク説明 内々に

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米当局者がペロシ米下院議長(左)の訪台におけるリスクについて内々に説明を試みていることが分かった/AFP & Getty Images

米当局者がペロシ米下院議長(左)の訪台におけるリスクについて内々に説明を試みていることが分かった/AFP & Getty Images

(CNN) ペロシ米下院議長が台湾訪問を計画しているとの観測を踏まえ、米国の国家安全保障当局者がペロシ氏に対し、中台関係が非常に敏感なこの時期に訪台に踏み切った場合のリスクについて内々に説明を試みていることが分かった。

事情に詳しい複数の情報筋によると、ペロシ氏はアジア歴訪の一環で数週間以内に台湾を訪問することを計画しており、民主・共和両党の議員に同行を呼び掛けているという。ペロシ氏が訪台した場合、米下院議長の訪問は25年ぶりとなる。

ペロシ氏が訪台する可能性が出てきたことで、中国の対台湾姿勢をめぐるバイデン政権内の懸念が浮き彫りになった。中国政府はここ数カ月、台湾に対する発言のトーンを強めているほか、台湾の防空識別圏に複数回にわたって軍用機を派遣するなど、行動も強硬さを増している。

ウクライナでの戦争もこうした懸念に拍車をかけており、バイデン氏や他の高官は、中国がロシアの侵攻への欧米の対応からどのような教訓を引き出すか注視している。

一方、中国の習近平(シーチンピン)国家主席は前例のない今秋の3期目続投に向けて地ならしを進めているとみられ、これも地政学情勢の緊迫化に拍車をかけている。バイデン氏は週内に習氏と会談する見通しだが、バイデン氏の電話会談はペロシ氏の訪台計画が公になる前から準備が進められていたという。

中国国防省は26日、ペロシ氏の訪問は中止すべきだとし、「外部勢力」が台湾の独立を促した場合、中国軍は「断固として国家主権を守る」と述べた。

中国国防省の報道官はペロシ氏訪台の報道について聞かれ、「中国は米国に『台湾独立』を支持しないという約束を守る具体的な行動を取り、ペロシ氏の台湾訪問を手配しないよう求める」と言及。「もし米国が方針を曲げないのであれば、中国軍は決して座視しない。外部勢力の干渉や『台湾独立』を図る分離主義者の策略を阻むために必ず強い措置を取り、国家主権と領土の一体性を断固守る」としている。

ホワイトハウスは26日、ペロシ氏は大統領継承権を持つことから、政権は同氏の外遊中の安全に細心の注意を払うと述べた。

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