ウクライナ港湾通じた貿易、全面停止の状態 機密解除の米諜報

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(CNN) ロシアによるウクライナ侵攻を受け同国の港湾を拠点にした海上交易が実質的に全面停止の状態に追い込まれていることが機密扱いが新たに解除された米諜報(ちょうほう)で26日までにわかった。

ウクライナにとって重要な産品の輸出活動が遮断され、国際的な食糧危機を招くリスクが生じているとした。

機密指定が解けたウクライナ港湾関連の地図などをCNNに提供した米政府当局者が明らかにした。今年2月下旬の侵攻開始から数カ月の間に黒海北部の海域の3分の1が事実上、封鎖される状態に陥ったとした。

地図では、侵攻前後の期間でウクライナ港湾に出入りする船舶の密度を分析。侵攻後には黒海やアゾフ海で商船の入港などがほぼ全面的に減少したことが判明した。

三つ目の地図は黒海のウクライナ沖合に集まるロシア海軍船舶の密集度を視覚化したが、これら艦船の活動が集中している様子が浮き彫りになっていた。

同当局者によると、ウクライナによる小麦輸出は世界全体の量の約10%を占める。輸出経路の大半は黒海の港湾を経由していた。

米国務省によると、侵攻前、ウクライナによるトウモロコシの輸出量は世界で4位、小麦は5位だった。小麦の世界的な貿易量の約30%はロシアとウクライナが占めていた。

国連食糧農業機関(FAO)は世界的な食糧安保の不安を解消するためウクライナからは毎年、必要な量の約半分を調達していた。ウクライナの港湾が封鎖されて機能しない場合、食糧安保の確保に深刻な影響が出るとも警告している。

CNNは最近、ウクライナ侵攻を受け世界規模での食糧供給に不安が強まる中、米国と同盟国はウクライナからの穀物輸送を安全に進める経路開設をめぐる協議を続けていると報じた。ロシアは商港に滞留する多数の穀物を盗んでいるとのウクライナ側の主張を裏づけるような新たな衛星画像も伝えていた。

米政府当局者によると、ウクライナ戦争の勃発(ぼっぱつ)以降、ロシアは商船の往来を威嚇し、黒海からアゾフ海につながるケルチ海峡を通じてウクライナへ向かう航路を時折妨害してもいる。ウクライナ沖合に戦闘艦艇を配置し、同国の港湾への砲撃なども多発している。

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