サル痘ワクチン、米国家備蓄から放出へ 高リスクの接触者向け CDC発表

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欧米を中心に感染報告が相次ぐサル痘ウイルスの電子顕微鏡画像/Cynthia S. Goldsmith, Russell Regner/CDC via AP

欧米を中心に感染報告が相次ぐサル痘ウイルスの電子顕微鏡画像/Cynthia S. Goldsmith, Russell Regner/CDC via AP

(CNN) 欧米を中心に感染報告が相次いでいるウイルス性疾患「サル痘」について、米疾病対策センター(CDC)は23日、戦略国家備蓄からのワクチン放出の要請に応える方針を示した。

米国では23日までにサル痘の症例1例が確認されているほか、疑いのある症例が4例報告されている。

CDCの専門家ジェニファー・マッキストン氏は、初期の患者と接触したリスクの高い人のために、国家備蓄からの「Jynneos」ワクチン放出の要請があり、積極的な対応に当たっていると説明。米国には天然痘予防を目的としたワクチンの十分な蓄えがあると強調した。

Jynneosは2回の接種を行うワクチンで、米国では天然痘とサル痘の予防を目的として承認されている。

マッキストン氏はJynneosについて「現時点で1000回分以上が利用できる。同ワクチンの製造会社から提供を受け、今後数週間で迅速に供給量を増やすことができる見通しだ」とした。

米国で承認されているもう一つの天然痘ワクチン「ACAM2000」もサル痘の予防に利用でき、こちらは1億回分以上の備蓄があるという。ただしACAM2000は古い世代の天然痘ワクチンで、重度の副反応を伴う可能性がある。従ってこれを幅広く利用するためには真剣な論議が必要とされる」(マッキストン氏)

CDCは、サル痘の感染が確認された患者との接触者や、医療従事者、濃厚接触者、重症化リスクが高い人を対象にワクチンを供給する方針。

米国ではマサチューセッツ州で男性1人のサル痘感染が確認されたほか、ニューヨークなど3州で男性4人のオルソポックスの症例が報告された。天然痘ウイルスとサル痘のウイルスは、いずれもポックスウイルス科のオルソポックスウイルス属に分類される。

マッキストン氏は、オルソポックスの症例もサル痘とみなして対応するよう医療従事者に促している。

HIV(エイズウイルス)感染予防対策を専門とするCDC専門家のジョン・ブルックス氏は23日、サル痘は性行為そのものを通じて感染することはないとする一方で、性行為中の濃厚接触を通じて感染する可能性があると指摘した。

サル痘は誰でも感染する可能性があるものの、今回の世界的な流行では、同性愛の男性やバイセクシュアル(両性愛者)の男性の症例が「顕著な割合」で確認されている。

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