米海軍、電子戦6機を独に派遣 NATO東方圏防衛さらに強化

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(CNN) 米国防総省は31日までに、ウクライナ情勢をにらんだ東欧の防衛力強化などを狙い米海軍の電子戦機「EA18G(グラウラー)」の6機をドイツへ派遣すると発表した。

同省のカービー報道官は、操縦士、乗組員や整備要員ら約240人も送り込まれるとした。6機は米ワシントン州ウィドビーの海軍航空基地からドイツのシュパングダレム空軍基地へ向かう。

同機は、防空網を無力化するレーダー妨害装置などを搭載。ただ、カービー報道官はウクライナでロシア軍に立ち向かうために投入されるわけではないと主張。

北大西洋条約機構(NATO)加盟国の東方圏での抑止力や防衛能力の強化を見すえた努力の一環とし、「特定の深刻な脅威や特定の事例の発生を受けて派遣したわけではない」と釘を刺した。「我々はこれまで終始、オースティン国防長官は選択肢は開かれた状態にしておきたい意向を持っていると説明してきた。そのための配備である」とした。

グラウラー飛行大隊の元司令官はCNNの取材に、今回の措置はロシアのウクライナ侵攻に応じた反応であることに驚きはないと分析。EA18Gのような不正規戦の兵器の戦術的な動員は偶発的な要因による事態の悪化を防ぐ一方で、相応の準備態勢を拡大させる効果が見込めると指摘。

同機はロシアの地対空ミサイルがNATO航空機を標的にすることを阻止出来るとの性能にも言及。ウクライナ侵攻でロシアは戦術的に後退してはいるが、決定の方向いかんではNATOなどの航空機を追跡し撃墜する能力は持ち続けていると強調。「グラウラーは早期警戒、追跡を行い、レーダーを狙って味方を守ることが出来る」とした。

ロシアのウクライナ侵攻後、米国は5週間にわたってNATO東方圏で数千人規模の兵力増強を進めてきた。

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