電車内の性的暴行止めなかった乗客に「訴追しないので情報提供を」 米検察

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SEPTAのマーケット・フランクフォード線/Matt Rourke/AP

SEPTAのマーケット・フランクフォード線/Matt Rourke/AP

(CNN) 米ペンシルベニア州フィラデルフィアを走る電車内で女性乗客が性的暴行を受けた事件で、地元検察は、緊急通報や制止をしなかった乗客が訴追されることはないと述べ、目撃者に情報提供を呼びかけた。

デラウェア郡地区検察の検事は声明で、訴追を恐れる必要はないとして、目撃者に名乗り出るように呼び掛けた。「こうした凶悪犯罪が南東ペンシルベニア交通局(SEPTA)の電車内で発生しうることに市民が怒りを覚えるのは分かるが、ペンシルベニア州法では事件を目撃した可能性のある乗客の訴追を許容していないと改めて指摘したい」と述べた。

SEPTAの以前の声明によると、事件は13日夜、SEPTAのマーケット・フランクフォード線で発生した。SEPTAは事件を「恐ろしい犯行」と呼び、他の乗客は犯行を目撃したものの当局に通報しなかったと指摘していた。

SEPTAの広報担当によると、事件を目撃したSEPTAの従業員が通報して、警察が電車に乗り込んで容疑者を拘束した。

検察は今後フィストン・M・ノイ容疑者(35)の訴追に焦点を絞る。法廷文書によると、容疑者はレイプや性的暴行、加重強制わいせつなどの疑いが持たれている。容疑者は現在、デラウェア郡の収容施設に勾留中で、25日に予備審問が予定されている。CNNは今週ノイ容疑者にコメントを求めようとしたものの接触できなかった。誰が法的代理人なのかは不明。

地区検事は21日の記者会見でも、「暴力犯罪を止めるために介入して、自分の身を危険にさらす刑事上の義務はない」と指摘。暴行発生時に居合わせた人が傍観したり、自らの満足のために携帯電話で動画撮影をしたりしていたとの見方についても打ち消した。

「電車内に座っていた人々が事件の様子を眺め、自らの満足のために動画撮影をしていたとの見方があるが、それは単純に事実ではない」「そんなことは起きていない。それが正しい説明ではないことを示すSEPTAの防犯カメラが存在する」としている。

地区検事によると、電車が駅に到着した際に乗り降りした数人は、それぞれ事件の異なる部分を目にしていた。車内の乗客はまばらだったという。2人が実際に携帯電話で動画を撮影した可能性があり、そのうち1人はおそらく匿名でSEPTAに通報した人物とみられるという。

SEPTAの関係者と地元警察は先に、他の乗客が行動を起こしていれば事件を防げた可能性があるとの見方を示していた。

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