警察車両から若い女性の遺体発見、遺族は追及姿勢 米アラバマ州

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クリスティナ・ナンスさんの遺体が警察車両から見つかった/Nance Family/GoFundMe

クリスティナ・ナンスさんの遺体が警察車両から見つかった/Nance Family/GoFundMe

(CNN) 米アラバマ州ハンツビルで、警察の駐車場に止めてあったほとんど使われていない警察のワゴン車の中から若い女性の遺体が見つかった。遺族側は女性が死亡した経緯をめぐって警察を追及している。

ハンツビル警察の15日の記者会見によると、クリスティナ・ナンスさんの遺体は今月7日、ハンツビル警察の駐車場の隅に止めてあった無人の警察のワゴン車の中から見つかった。家族からは2日に行方不明者の届け出が出されていた。

このワゴン車の横に靴があるのに気付いて近寄った警官が、車内にナンスさんの遺体を発見した。車の窓は開いていた。

記者会見したディウェイン・マカーバー副署長は、こうした車両は全て、使っていない時や人が乗っていない時はロックをかける決まりになっていたとしたうえで、「あれは起きてはならないことだったと言わなければならないこともある。今回がそうだった」と語った。

警察は駐車場の防犯カメラを調べた結果、ナンスさんがワゴン車に入ったのは現地時間の9月25日午後0時半ごろだったと断定。記者会見ではナンスさんが映った防犯カメラの映像を見せ、ナンスさんが9月25日とその後数日間の間にワゴン車の窓を開け閉めしていたことを明らかにした。

9月25日に駐車場を歩き回っていたナンスさんは、茂みの中で横になったり警察車両のボンネットに座ったりした後にワゴン車に乗り込んでいた。ナンスさんが最後に窓を開けたのは同月28日だった。

この駐車場は人や車の出入りが非常に多く、ワゴン車の近くも車が通ったり人が歩いたりしていた。「彼女が叫び声を上げていれば、これを悲劇にしないチャンスはいくらでもあった。だが残念ながら、彼女があの車の中にいることに、誰も気づけなかった」とマカーバー副署長は振り返る。

ワゴン車は1995年に護送車として調達したもので、2000年代初めに用途が変わり、今年3月以降は使われていなかった。護送車だったことから、後部のドアを閉めると中からは開けられない仕様になっていたという。

マディソン郡検視官は、今月12日に行った検視の結果、外傷の痕跡は認められず、事件性はなかったと判断した。死因は毒物検査などの結果を待って特定する。

ナンスさんの遺族らは、これほど人通りの多い場所で警察車両の中にいたナンスさんが、なぜ12日間も発見されなかったのかと問いかけている。

警察は当初から事件として捜査に着手しており、ナンスさんが最後に目撃された日をめぐって家族から提供された情報は不正確だったとマカーバー副署長は説明する。

同副署長はさらに、警察の犯罪捜査班は以前からナンスさんのことを「非常によく知っていた」と語った。必要なリソースの提供などで一緒に働いたことがあるという。

警察は15日の記者会見前に防犯カメラの映像を見せるなど、遺族への配慮に努めているとマカーバー副署長は強調する。

公民権弁護士のベン・クランプ氏は13日、ナンスさんの遺族の弁護を担当すると発表し、「真実を追及する」と強調した。クランプ弁護士は、警察の過剰な実力行使によって死亡した黒人のジョージ・フロイドさんやブレオナ・テイラーさんの遺族の弁護士を務めている。

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