ハリケーン「アイダ」上陸、ミシシッピ川が高潮で異例の「逆流」

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ハリケーン「アイダ」上陸前のミシシッピ川=29日/Brandon Bell/Getty Images

ハリケーン「アイダ」上陸前のミシシッピ川=29日/Brandon Bell/Getty Images

(CNN) 米南部ルイジアナ州に上陸した極めて危険な「カテゴリー4」のハリケーン「アイダ」のもたらす高潮と強風がニューオーリンズ近くのミシシッピ川の流れを止め、逆流させているのが確認された。米地質調査所(USGS)は「極めて珍しい現象」だとしている。

アイダは現地時間の29日午後、同州ポートフォーション付近に上陸した。国立ハリケーンセンターによると、上陸時の風速は約67メートル。この日は壊滅的な被害をもたらしたハリケーン「カトリーナ」のルイジアナ州上陸から16年目に当たった。

USGSでミシシッピ川下流域の監視を担当する水文学者、スコット・ペリエン氏はCNNの取材に答え、カトリーナ上陸の際にもミシシッピ川の逆流が起きたと振り返りつつ、「極めて珍しい現象」だと強調した。

ペリエン氏によると、29日にはミシシッピ川の水位が高潮のためにUSGSの計測で約2.1メートル上昇した。計測地点はニューオーリンズから約32キロ南のベルチャスにある。

水位の上昇に伴い、時速2.2キロ前後だった川の流れは速度が落ち、時速0.5キロほどの速さで逆流したという。

ただ計測は川の流れ全体を対象としていないため、川のより深い部分では逆流が起きていない可能性があると、ペリエン氏は指摘した。

川にはハリケーンの影響が広範囲に表れているとペリエン氏は分析。同氏が監視を行うバトンルージュまでの水位は、高潮のために過去12時間で約46センチ上昇したと述べた。今後も一段と上昇する公算が大きいという。

国立ハリケーンセンターは、アイダにより約3.6~4.8メートルの高潮がルイジアナ州南東部の複数地域で発生すると予測する。ニューオーリンズ近くでは約2.4~3.6メートル、ポンチャートレーン湖に沿った同市郊外では約1.5~2.4メートルの高潮がそれぞれ発生するとみられている。

風速場がより大きかったカトリーナ上陸の際には、これを上回る規模の最大7.3~8.5メートル程度の高潮が起きていた。

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