最初の死者から500日、変異株やワクチンの低接種率でコロナ禍長期化も 米

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米国で新型コロナウイルスの最初の死者が出た日から500日が経過した/Mario Tama/Getty Images

米国で新型コロナウイルスの最初の死者が出た日から500日が経過した/Mario Tama/Getty Images

(CNN) 米国は新型コロナウイルス流行前の日常生活に近づきつつあるが、専門家は依然として新型コロナウイルスワクチンの接種率の低さと変異株の流行に懸念を示している。1年以上にわたって人々の生活を一変させ、国内外で犠牲者を出してきた新型コロナウイルスの流行が悪化する可能性もあるという。

米国で昨年新型コロナウイルスによる死者数が最も多かったニューヨークとカリフォルニアの2州は経済活動を完全に再開し始めた。今月20日は新型コロナウイルスによる初の死者が出た日から500日の節目となった。

カリフォルニア州の当局者は2020年4月、同年2月6日に死亡した57歳の女性は新型コロナウイルスで死亡したと明らかにした。それ以前に米国で初めての新型コロナウイルスによる死者と考えられていたワシントン州での事例よりも3週間以上前の死亡だった。

ジョンズ・ホプキンス大学によれば、新型コロナウイルスによる米国での死者数は少なくとも60万1818人。ここ数カ月はワクチンのおかげもあり、新規感染件数や入院数、死者数は減少傾向にある。

米国では3億回以上のワクチン接種が行われた。報告されている7日間移動平均の新規感染件数は1日あたり1万3997件で、1月10日のピーク時は同25万1834件だった。米疾病対策センター(CDC)のデータによれば、4月の1日当たりのワクチン接種数は平均300万回以上だった。

しかし、CNNの医療アナリスト、レアナ・ウェン博士は、道のりはまだ長いと指摘する。

ウェン博士は、最悪の時期は抜け出たし、年末年始の時に起きていた新規感染の急増も見ないとしながらも、米国全体ではなくそれぞれの地域社会の数字に目を向けるべきだと指摘。米国は全体としてはるかに良くなっているが、ワクチンの接種率が非常に高い地域がある一方で、現在も感染件数が急増して病院が再び満床となっている地域もあると述べた。

専門家はワクチン接種の完了で一部の変異株に対して防御が得られることには同意するものの、ウェン博士は、ワクチンに抵抗力を持つ変異株が出現するかどうかはわからないと付け加えた。

ウェン博士は、「ある種の」新しい変異株が出現し、ワクチンの有効性をわずかに減じることはあるかもしれないが、完全に有効性がなくなることはないだろうと指摘。ワクチン接種を行っていない人ができる限り早くワクチン接種を行うべき理由だと述べた。

20日時点で米国の全人口の45.1%がワクチン接種を完了した。少なくとも1回の接種を行った人の割合は53.3%。CDCによれば、14の州が人口の過半数がワクチン接種を完了した。

一方、ワクチン接種率が低い南部の州のひとつミシシッピでは、ワクチン接種を完了した人の割合は全人口の30%で、少なくとも1回の接種を受けた人の割合は33%にとどまっている。

同州ジャクソン市のルマンバ市長は、その原因の一部は「かかりつけ医がない人々が多い」ことにあると指摘。医療分野での格差がコロナ流行で浮き彫りになったと語る。

そうした人々に接種を促すには「そういう人々がいる場所に会いに行く」方法があると述べ、理容店でも教会でも足をのばす必要性に言及する。さらに、同市人口の85%を占める黒人社会に歴史的に残る不信感も接種率の低さにつながっているとの認識を示した。

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