インフルエンザ大流行、専門家が危惧 次期シーズンは「史上最悪」の見方も

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今シーズンはインフルエンザがほとんど流行しない状況が続いているが、秋にも予想される次のインフルエンザのシーズンには大きな反動が懸念されている/Shutterstock

今シーズンはインフルエンザがほとんど流行しない状況が続いているが、秋にも予想される次のインフルエンザのシーズンには大きな反動が懸念されている/Shutterstock

(CNN) 世界中で猛威を振るい、370万人の死者を出している新型コロナウイルス。一方で、今シーズンはインフルエンザがほとんど流行しない状況が続いている。

米国で今年に入ってインフルエンザのために死亡した子どもは1人のみ。2019~20年のシーズンでインフルエンザに関連して死亡した子どもは199人、その前のシーズンは144人だった。例年であれば何千万にも上る米国内のインフルエンザの症例数は、今年は数千例にとどまっている。

インフルエンザに詳しい聖ジュード小児研究病院のリチャード・ウェビー氏は、「西アフリカの例外を除けば、インフルエンザはどこにもない」と話す。インフルエンザが流行していない国には「ロックダウン(都市封鎖)をした国も、ロックダウンを一切していない国も含まれる。大流行をうまく抑え込んだ国も、うまくやらなかった国も含まれる」という。

詳しい理由は不明だが、専門家の多くは、新型コロナウイルス対策がインフルエンザの感染拡大防止にも役立ったと見ている。コロナウイルスが何らかの形でインフルエンザをしのいだ可能性や、干渉した可能性もある。

いずれにしても、ウェビー氏をはじめとする専門家は、インフルエンザの活動は一時的に収まっているにすぎないとの考えだ。この秋にも予想される次のインフルエンザのシーズンには、大きな反動が懸念される。

「史上最悪のインフルエンザシーズンが到来するかもしれない」とウェビー氏は言う。

ミシガン大学公衆衛生校でインフルエンザを研究する疫学者のオーブリー・ゴードン氏も「戻ってきたら、大変なシーズンになるだろう」と予想した。

その一因は人の行動にある。ロックダウンやマスク着用、ソーシャル・ディスタンシング(他人との距離の確保)といった行動にうんざりした人たちは、新型コロナウイルス対策のワクチン接種で獲得した自由を謳歌(おうか)したいと考える。それが度を越すかもしれない。

旅行者は既に増え始め、飲食店にも客が戻り、学校も対面の授業再開を計画している。

しかし観光地や飲食店や家族の集まりに詰めかける人たちは、新型コロナウイルスに対して安全だったとしても、同じように空気や飛沫(ひまつ)や物の表面を介して感染するインフルエンザのような呼吸器系のウイルスからは守られない。

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