アジア系女性6人が犠牲になった連続銃撃事件、全米のアジア系住民に衝撃

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マッサージ店での銃撃事件後、当局者による現場検証が行われた/Brynn Anderson/AP

マッサージ店での銃撃事件後、当局者による現場検証が行われた/Brynn Anderson/AP

(CNN) 米ジョージア州アトランタ周辺でマッサージ店3店が銃撃され、アジア系女性6人を含む8人が死亡した事件。警察はまだ詳しい犯行の動機を突き止めていないものの、全米でアジア系に対する嫌がらせや暴行が相次ぐ中、ただでさえ不安を募らせているアジア系住民の間に衝撃が広がった。

テキサス州の飲食店は「カンフー」と落書きされ、カリフォルニア州ではアジア系男性が暴行されて片目が見えなくなるほどの重傷を負った。朝の散歩をしていた84歳のタイ出身の男性は、いきなり突き飛ばされて死亡した。

米国のアジア・太平洋諸島系(AAPI)住民に対する暴力や嫌がらせ事案を調査している団体「ストップAAPIヘイト」の共同創業者シンシア・チョイ氏は、今回の事件の動機に人種差別があったのかどうかはまだ分からないとしながらも、「新型コロナウイルスが人種と結びつけられているという事実、犠牲者のほとんどがアジア系女性だったという事実を考えれば、その可能性は排除できない」と指摘する。

今回の事件はアジア・太平洋諸島系(AAPI)住民に、自分たちに対する暴力がエスカレートしていることを感じさせた。

AAPI系住民は、警戒心から日常の行動を変えるようになっている。フロリダ州立大学が昨年アジア系米国人を対象に実施した調査では、特定の場所を避けたり周囲を見回したり、使う言葉や文言を慎重に選ぶようになったりしたという回答が半数を超えていた。

CNNがアトランタや米国各地で取材した人の多くは、反アジア感情によって日常生活が影響を受けていると証言した。

ボルティモアでバスを待っている時、サンフランシスコで両親の介護をしている時、コロラドで公園を散歩している時、ラスベガスの日本食屋台で働いていた時、オレゴン州で食品の買い物をしていた時に、新型コロナウイルスは自分たちのせいだと言われ、暴言を吐かれたという人もいた。被害に遭ったのはフィリピン系、中国系、韓国系の米国人だった。

2016年のジョージア州議員選挙で初のアジア系民主党下院議員に選出されたサム・パク議員は、アトランタ地域では今回の銃撃事件を受けて、明らかに恐怖と不安が高まったと指摘。「人種が動機だったかどうかにかかわらず、あれはアジア系米国人女性に対する攻撃であり、我々の社会に対する攻撃だった」と位置付ける。

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