トランプ氏弾劾裁判、検察官役の冒頭陳述終わる 反乱扇動での有罪訴え

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上院へ向かう弾劾管理人ら=10日、米ワシントンDCの米連邦議会議事堂/Graeme Sloan/Sipa USA/AP

上院へ向かう弾劾管理人ら=10日、米ワシントンDCの米連邦議会議事堂/Graeme Sloan/Sipa USA/AP

(CNN) トランプ前米大統領の弾劾(だんがい)裁判で、下院の弾劾管理人(検察官に相当)は11日、2日間の冒頭陳述を終えた。弾劾管理人はトランプ氏について、1月6日の議事堂襲撃事件に責任があり、襲撃犯を止めなかったうえ、事件後も反省の色を示していないと主張。反乱者を扇動した罪で有罪評決を言い渡すよう上院議員に訴えた。

弾劾管理人は冒頭陳述最終日となったこの日、議会襲撃を実行した暴徒はトランプ氏の要請で犯行に及んだと話していると指摘。トランプ氏が過去に支持者の前で暴力を賛美していたことや、自身の行動は「完全に適切だった」と主張していることに触れ、もし機会があれば再び同様の行為に及ぶ可能性があると警鐘を鳴らした。

弾劾管理人の1人、民主党のテッド・リュー下院議員は、今回の暴動へのトランプ氏の反応を見る限り、「もし許容されれば将来害悪を引き起こすことは間違いない」と主張。「私はドナルド・トランプが4年後に再出馬することは恐れていない」「彼が再出馬して敗れる事態を恐れている。再び今回のような行動に及ぶ可能性があるからだ」と述べた。

11日の民主党側の陳述は明らかに前日よりトーンが抑え目だった。10日の陳述では、事件当日の議事堂の混乱ぶりを映した動画に上院全体がくぎ付けとなり、議員やペンス前副大統領の近くまで暴徒が迫っていたことも明らかになった。

この日の陳述には、トランプ氏は暴徒による議事堂乱入に責任があるのみならず、暴動中も何もせず、自らが与えた損害について謝罪も認めもしていないという点を強調する狙いがあった。

下院の主張の締めくくりとして、弾劾管理人を率いるジェイミー・ラスキン下院議員はトランプ氏への有罪評決を下すよう上院議員に呼び掛け、もし無罪となれば歴史に影響があると警鐘を鳴らした。「もしこれを重罪および軽罪と認定しなければ、米大統領の不正行為について恐ろしい基準を設けることになる」としている。

そして、米独立を呼び掛けた1776年執筆のトマス・ペインのパンフレット「コモン・センス」を引き合いに、「法律家の奇妙な理論にとらわれないようにしよう」「この国で起きたことに関しコモン・センス(常識)を駆使しよう」と訴えた。

12日にはトランプ氏の弁護団が冒頭陳述を行う。情報筋2人によると、トランプ氏側の陳述は1日で終わる見通し。民主党が陳述で暴力を美化したと主張し、今回の裁判は違憲であり、トランプ氏の発言は言論の自由を定めた憲法修正1条によって保護されると訴える予定。

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