トランプ氏、最高裁に激戦州の票の無効化求める

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
トランプ米大統領が、激戦州の投票を無効にするよう最高裁に要求した/Mandel Ngan/AFP/Getty Images

トランプ米大統領が、激戦州の投票を無効にするよう最高裁に要求した/Mandel Ngan/AFP/Getty Images

(CNN) 米国のトランプ大統領は9日、連邦最高裁に対し、先月の大統領選の激戦州で投じられた数百万に上る票を無効とするよう要求した。これらの州ではバイデン次期大統領の勝利が確実となっていた。

トランプ氏はこの要求を盛り込んだ文書を提出し、テキサス州のパクストン司法長官が起こした訴訟への参加を求めた。パクストン氏はジョージア、ミシガン、ペンシルベニア、ウィスコンシンの4州で投じられた数百万票を無効にするべく最高裁に訴えている。

今回トランプ氏の弁護士を新たに務めているジョン・イーストマン氏は、最近になって人種差別的な陰謀論を支持したことで知られる。それはハリス次期副大統領について、両親が移民であることを挙げて、同職に就く資格を疑問視するというものだった。

最高裁への提出文書には「我が国は現在深く分断された状況にある。おそらく1860年の大統領選以来の事態だろう」「非常に大きな不信感が対立する陣営の間に存在し、以下の事実によって増幅されている。すなわち先の大統領選において、勝敗のかぎを握る激戦州の選挙当局者らが、見たところ党派的な利益のために、当該州の選挙をその州の定める選挙法に従って遂行しなかったという事実である」

テキサス州の主張に沿う形で、トランプ氏は上記の激戦州が新型コロナウイルスの感染拡大を「口実に」、「数多くの州法の執行を無視もしくは停止した」と指摘。それらの法は、「投票の確実性を守るために策定されたものだ」との認識を示した。

そのうえでトランプ氏は最高裁に対し、これらの州が「憲法上効力のない2020年の選挙結果」を用いるのを阻止するよう要求。州議会が「2020年の選挙結果の再調査」を行わない限り、これを無効とするべきと訴えた。

また、たとえこれらの州のいずれかが「すでに選挙人団を構成する選挙人を任命していたとしても」、現在の選挙結果を用いているのなら、州議会には「新たなメンバーからなる選挙人」を任命する権限があると強調した。

このほか連邦議会下院での投票で次期大統領が選ばれる可能性にも言及。その場合はトランプ氏が勝利するとみられている。

トランプ氏は「被告側の州の選挙人が選挙結果を決定することになる」としつつ、「それ以外に、もし被告側の州が38人以上の選挙人を認定できなければ、どちらの候補者も選挙人団を構成する選挙人の合計の過半数を獲得できなくなる。その場合、合衆国憲法修正第12条に基づき、選挙は連邦議会下院に委譲される」と述べた。

トランプ氏は今回の訴えについて連邦議会の共和党議員に支持を呼びかけているが、反応は様々だ。

トランプ氏に近いマイク・ジョンソン下院議員(ルイジアナ州)は、個人のメールアカウントから下院の共和党議員全員に向けて電子メールを送信。テキサス州が起こした大胆な訴訟への法廷助言書に署名するよう求めた。

下院の共和党議員の1人はCNNの取材に答え、ジョンソン氏からのメールに不快感を覚えたと明かした。

このほかジョン・コーニン上院議員(テキサス州)は、1つの州が他の州の選挙運営に意見表明することが法理論的に妥当なのかどうか理解に苦しむとコメント。またミット・ロムニー上院議員(ユタ州)は、テキサス州の訴えについて「単純に狂気の沙汰」「民主主義にとって危険かつ破壊的」と述べた。

それでもトランプ氏を忠実に支持する連邦議員らは、同氏に敗北を認めないよう強く呼び掛けている。たとえ来週行われる予定の選挙人団による投票でバイデン氏が勝利してもあきらめず、来年1月の連邦議会下院での投票に持ち込むべきと主張する。

問題の4州は、米東部時間10日の午後3時までにテキサス州の訴えに対する回答を行わなくてはならない。

「米大統領選2020」のニュース

Video

Photo

注目ニュース

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]