医師が新型コロナで感染死、重症患者の治療に尽力 米テキサス州

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亡くなったカルロス・アラウホプレサさん/Courtesy Andrea Araujo

亡くなったカルロス・アラウホプレサさん/Courtesy Andrea Araujo

(CNN) 米テキサス州ヒューストン近郊の病院で新型コロナウイルスに感染した重症患者の治療に全力を尽くしていた医師が、新型ウイルスに感染して死亡した。

カルロス・アラウホプレサさん(享年51)は同州トムボールの病院で、集中治療室(ICU)の責任者として新型ウイルス感染症患者の治療に当たっていたが、自身が同じ病でICUに収容され、先月30日に亡くなった。

娘のアンドレアさん(22)は、「父の人生はアメリカン・ドリームそのものだった」と話す。中米エルサルバドルに生まれて医学を志し、1994年に渡米。ニューヨークとニューオーリンズの大学病院を経て2001年にこの地へ移り住み、呼吸器内科医として20年近く活躍した。

新型ウイルスの感染拡大が始まるとすぐに最前線に配置され、4月の1カ月間はほとんど病院に泊まり込んだ。週に1度、5分間だけアンドレアさんの家に立ち寄ったという。家族の心配をよそに、本人は患者を助けることに情熱をかけていた。

10月に感染した時も家族に心配をかけまいと気丈に振る舞った。「酸素吸入のために病院へ行くが、明日には帰る」と話していたという。

カルロス・アラウホプレサさんと娘のアンドレアさん/Courtesy Andrea Araujo
カルロス・アラウホプレサさんと娘のアンドレアさん/Courtesy Andrea Araujo

11月初めに10日間ほどICUに入り、退院して2日もたたないうちにまた再入院となった。病状がかなり悪化していたためヒューストン市内の病院へ移され、数日後に人工呼吸器を装着。そのまま帰らぬ人となった。

アンドレアさんのもとには、父の人格や情熱を知る同級生、同僚、患者らから多くのメッセージが寄せられた。それが慰めになっていると、アンドレアさんは言う。「父は常に、太陽は明日も必ず昇ると話していた。だから私は進み続けなければ」と力を込めた。

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