米外交官狙った「音響攻撃」、原因はマイクロ波の可能性大 米専門家委員会

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在キューバ米国大使館の外観/ADALBERTO ROQUE/AFP/AFP/Getty Images

在キューバ米国大使館の外観/ADALBERTO ROQUE/AFP/AFP/Getty Images

(CNN) 中国やキューバに駐在する米国の外交官が「音響攻撃」を受けたとされる事件で、被害者が脳に負った損傷は指向性マイクロ波エネルギーの使用による損傷と一致しているという説を、米国務省の要請で原因究明に当たっていた専門家委員会が発表した。

米科学アカデミーによって5日に発表された報告書の中で同委員会は、「こうした症例について説明する上で、指向性パルスRF(無線周波数)エネルギーは、特に明らかな初期症状のある症例において、最も妥当なメカニズムであるように思われる」と説明している。

その上で、マイクロ波が故意に使用されたとの結論には至らなかったものの、不正な目的で使用される可能性はあると述べ、「そうした筋書きを考えただけで、抑制の効かない邪悪者や他人に危害を加えるための新しい道具が存在する世界について、重大な懸念が生じる」とした。

脳損傷を引き起こしたり悪化させたりした原因については、化学物質や感染症、精神衛生問題の可能性についても検討したが、いずれも原因ではなさそうだと判断したとしている。

研究チームは被害者のうち、中国の広州に駐在していた外交官のマーク・レンツィ氏の脳を調べた結果も公表した。レンツィ氏は2017年に頭痛や難読、怒りっぽさ、記憶や睡眠問題などの症状に悩まされるようになり、磁気共鳴断層撮影(MRI)検査の結果、記憶や感情抑制、運動能力などをつかさどる脳内の20領域で、ボリュームが異常に低いことが分かった。一方、検査した107領域のうち3領域ではボリュームが増大していた。

ボリュームが低い領域は脳の損傷を反映したもので、ボリュームの増大はこの部分が脳内の他の領域を補っていたことの表れだった可能性を指摘している。

音響攻撃はほとんどが2016年から17年にかけて報告されていたが、その後も複数の事案が報告されている。

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