殺到する郵便投票、勝敗のカギ握る4州で集計遅れる 訴訟も開始

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ペンシルベニア州、郵便投票が集計完了にほど遠く

(CNN) 3日投票の大統領選で、勝敗のカギを握るペンシルベニア、ウィスコンシン、ミシガン、ジョージアの4州で、何万票もの不在者投票が集計されないまま日付が変わった。大統領選の結果は宙に浮いたままだ。

いくつかの州は夜通しの作業を中止して翌朝の再開を決めた。ペンシルベニア州のいくつかの郡は4日の午前遅くまで集計自体が始まらない見通しだ。

新型コロナウイルスの影響で記録的な数となった郵便投票では、民主党が事前投票を呼びかけていたことから同党候補のバイデン前副大統領が優勢と見られている。一方、当日投票は共和党候補のトランプ大統領に有利と考えられている。

トランプ陣営は選挙当日の夜には勝者が宣言できるよう集計作業を迅速に行うべきだと主張。だが、選挙管理当局者は州の総票数の認証まで数日から数週間をかけて集計を処理することが認められている。

特にミシガン、ペンシルベニア、ウィスコンシンの3州は、共和党多数の州議会が他州と同様に票の事前処理を可能にする法律の修正案を否決。投票日やその直前まで票の処理が認められない状況となっていた。

ペンシルベニア州では、各郡が大量の郵便投票について独自に優先順位をつけて処理を進めている。

民主党の強い基盤であるフィラデルフィアでは、3日遅くまでに届いた35万票のうち約7万5000票の集計が完了し、さらに集計を続けている。集計結果は米東部時間4日午前9時(日本時間同日午後11時)まで更新されないとしている。

バイデン氏の地元スクラントンに近いルザーン郡は6万票中2万6000票の集計が終わり、その夜は集計をいったん終了した。翌朝に再開するという。

一方、フィラデルフィア近郊のモンゴメリー郡は24時間体制で集計が終わるまで作業を続ける。

ジョージア州は規則上、票の事前処理が認められているが、主要な郡では集計が終わる前にいったん作業員を帰宅させた。州都アトランタを含む最大のフルトン郡では、夜の集計作業を停止し翌朝8時から再開する。4万8118票と選挙当日に到着した票がまだ残っているという。

民主党の強いディカーブ郡も郵便投票7万9000票分を4日午前11時から集計する。

集計作業はトラブルにも見舞われた。ジョージア州ではアトランタの集計所に使うステート・ファーム・アリーナの上部のパイプが破裂し、票の集計作業が遅れた。また、集計ソフトの不具合と見られるトラブルが原因でグイネット郡の最大8万票の集計も遅れた。

訴訟が待ち構える

今後、共和党は郵便投票をめぐり訴訟を起こす構えを見せている。共和党全国委員会は薄氷の差となりそうな激戦州で大規模な訴訟を準備。ボランティアの弁護士や複数のローファームとチームを組むとしている。一方民主党も法廷闘争に備えて法の専門家を集めている。

既に選挙後の訴訟も起き始めた。フィラデルフィア近郊にある民主党寄りのモンゴメリー郡では、共和党員が1200票の不在者投票について訴訟を起こした。4日朝にも審理が開かれる。

集計を監視していた共和党員は、同郡が郵便投票の処理を始めるのが早すぎたと主張。また、二重の封筒になっていないといった本来は捨てられるべき票について投票者に修正の機会を不正に与えたのを目撃したなどと訴えている。

同州では連邦下院議員らも同日、州務長官を相手取り、投票が認められない不在者投票の希望者に不法に票を送付したとして訴訟を起こしている。

「米大統領選2020」のニュース

Video

Photo

注目ニュース

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]