米航空会社、「ジャンク手数料」で数十億ドルの収入 議会報告書

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ジョン・ウェイン空港でチェックインする旅行客=21日、米カリフォルニア州サンタアナ/Paul Bersebach/Orange County Register/Getty Images

ジョン・ウェイン空港でチェックインする旅行客=21日、米カリフォルニア州サンタアナ/Paul Bersebach/Orange County Register/Getty Images

(CNN) 米国の航空会社は、座席の選択や機内持ち込み手荷物に追加料金を上乗せする、いわゆる「ジャンク手数料」によって数十億ドル規模の収入を得ていることが、26日に発表された上院小委員会の報告書で明らかになった。

一部の航空会社では、機内持ち込み手荷物にかかる手数料の支払いを免れようとする顧客を特定するために、職員に現金インセンティブ(動機付け)を支払っていることも分かった。

米航空5社は2018年から23年の間、かつては航空運賃に含まれていた「アンバンドル(分離)」コストである座席選択料金だけで120億ドル(約1兆8000億円)以上の収入を得た。

23年に各社が請求したエクストラレッグルーム席(通常席よりも足元の広い座席)の追加料金は、ユナイテッド航空が最大319ドル、スピリット航空が最大299ドル、デルタ航空が最大264ドル、フロンティア航空が最大141ドル、アメリカン航空が最大140ドルだった。

「これら航空5社は、足元のスペース、通路側、窓側の座席、さらには事前の座席指定にも追加料金を請求している」と報告書は指摘した。

また報告書によると、超格安航空会社(ULCC)のフロンティア航空とスピリット航空は22年と23年、航空会社の手荷物規定に従っていないとされる乗客に料金を支払わせる措置として、職員を駆り立てるために2600万ドルのインセンティブを支払ったという。

フロンティア航空の職員は、乗客がゲートで預けることを余儀なくされた手荷物1個当たり最大10ドルを得ていた。同社はCNNの取材に対し、この慣行を認めた。

旅行の民主化?

報告書はまた、航空会社の中には一部の料金を「非課税料金」と表示することで連邦税を回避している企業があるようだとし、こうした慣行を採用していないデルタ航空やアメリカン航空などの航空会社が不利になると指摘した。

米主要航空会社の業界団体「エアラインズ・フォー・アメリカ」はCNNに対し声明で、「加盟社は税金や手数料に関するものも含め、すべての法令を順守している」と述べた。

フロンティア航空は、アンバンドル料金は空の旅をより安くするための手法だと擁護した。

「当社のアンバンドルサービスモデルは航空旅行の民主化を実現し、何百万もの個人、家族、中小企業に航空旅行の機会を提供してきた」と声明で述べた。

エアラインズ・フォー・アメリカもこの意見に同調している。「小委員会は、今日の空の旅が民主化され、あらゆる所得層の米国人が飛行機を利用できるようになったという事実への評価を明らかに欠いている。今日、航空旅行の革命により90%近くの米国人が飛行機を利用したことがある。それは米国人が、自分が望むサービスには対価を支払い、不要なサービスは受けないという選択権を持っているからだ」

スピリット航空は声明で、報告書の大部分に同意しない姿勢を示し、「当社の商品と価格設定について透明性を保ち、空港規定により乗客が公平かつ平等に扱われ、すべての税務法令を順守している」と述べた。

「ジャンク手数料」はバイデン政権の標的となってきた。ブティジェッジ運輸長官は先週の記者会見で「航空会社の最高経営責任者(CEO)の中には、次期政権が現政権よりも乗客に厳しく、企業に優しい政権になることを望む声もあることは承知している」と述べていた。

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