スーパーヨットの売れ行き、世界的な混乱期に絶好調 その理由とは?

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オランダの造船所ヘッセンが建造した鋼鉄製の「ルシーン」は、今年のモナコ・ヨットショーでデビューしたスーパーヨットの一つ/David Churchill/Heesen Yachts
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オランダの造船所ヘッセンが建造した鋼鉄製の「ルシーン」は、今年のモナコ・ヨットショーでデビューしたスーパーヨットの一つ/David Churchill/Heesen Yachts

モナコ(CNN) 世界的な紛争の危機、エネルギー価格の高騰、新型コロナウイルスの長期化など世界中で混乱が続く中、モナコではヨット界で最も華やかなイベント、モナコ・ヨットショーが10月1日まで4日間にわたり開催された。

第31回目となった今年は、モナコのエルキュール港に総額およそ38億ドル(約5652億円)のスーパーヨットが展示された。その数は約118隻。「すべてのヨットがここに集結した」と、モナコ・ヨットショーの広報・メディア担当、ヨハン・ピッツァルディーニ氏はCNN Travelに語っている。

モナコ・ヨットショーはスーパーヨット市場に特化。世界で最も大きく、最も高価なスーパーヨットが一堂に会する光景を見ようと、毎年、平常時で推定3万人がモナコを訪れる。

このヨットショーは、ヨットを所有する富豪たちにとっては、隔離された安全な空間でヨットをお披露目できる場であることは間違いない。だが同時に、ヨットの所有を検討する人たちにとっては、ヨットを購入できる好機の場でもある。

ピッツァルディーニ氏も認めるように、この市場は「ニッチ」だ。激動の時代にあっても、その勢いが衰える気配はない。今年は約40隻の新しいヨットが展示された。その中には、過去最大となる全長115.1メートルの巨大なスーパーヨット「AHPO」の姿もあった。

イタリアの造船会社CRNの「リオ」(全長62メートル)やタンコアヨッツの「キンダ」(全長50メートル)など、巨大ヨットの中には、これまでヨットを所有したことのない新規購入者の手に渡ったものもある。

スーパーヨットを新規購入する人の多くが、小型ヨットからのアップグレードではなく、最初から大型ヨットを選択するという傾向は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)時に顕著になった。

「パンデミックはヨットの購入を考えていた人たちを刺激した」と、米フォートローダーデールを拠点とするヨットディーラー、デニソン・ヨッティングの創業者で社長のボブ・デニソン氏は、CNN Travelに話している。

「『この先10年も待っていられない』と考えた人たちが、どこからともなくやって来て60メートルのヨットを買っていく。今でもそのような光景は多く見られるし、今後も続くだろう」(デニソン氏)

ピッツァルディーニ氏も、パンデミックの影響を受けて、スーパーヨットの購入を検討している人々の心境に変化が見られたと指摘している。

「何カ月も、あるいは何年もヨットのチャーターや購入をためらっていた見込み顧客が、『不安定な時代だからこそ人生を楽しもう』と、今を生きることを選択する姿を見てきた」と同氏は説明した。

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