日本古来のすし「なれずし」、その独特の味わいを楽しむ

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(CNN) 「なれずし」は最も古く、最も原始的なすしで、われわれがよく口にするカリフォルニアロールや刺身とはまるで異なる。

10世紀ごろの日本では魚を塩と米飯で発酵させて保存することがあった。それが最終的に、われわれがよく知る握りずしに取って代わられた。

CNNは、今でもなれずしが一般に食されている滋賀県を旅し、古代から伝わるこの食の伝統を探し出した。

すしの起源

なれずしは、魚を飯に漬けて発酵させた食品で、西暦2世紀ごろ、東南アジアの大部分で一般にこの製法が用いられていた。8世紀ごろ日本に伝わったと考えられているが、「なれずし」に関する文献が現れたのは10世紀に入ってからだ。

琵琶湖マリオットホテルで料理長を務める大橋一之氏によると、なれずしの正確な起源は定かではないが、滋賀では多くの人が、なれずしは家庭向けの魚料理と考えているという。また大半の家庭に独自のレシピがあり、代々受け継がれている、と大橋氏は言う。

琵琶湖周辺では、なれずしは定番の家庭料理で、重要なたんぱく質源でもある。

冷蔵庫のない時代には、各家庭で魚をなるべく長持ちさせるために米と塩で発酵させ、(通常は、たるの中で重ねて)保存していた。

なれずしはアユでも作れるが、琵琶湖周辺で最も一般的なのは濁り鮒(にごりぶな)で作った鮒ずしだ。この鮒ずしも大半の家庭が独自のレシピを持っているが、どれも作り方はよく似ている。

まず魚のうろこを落とし、はらわたを取り除き、塩漬けにして数カ月間保存した後、米と混ぜて発酵させる。

こうして発酵させた魚は、暗所に常温で保存すれば、数カ月どころか、数年でも数十年でも保存可能だ。

何世紀もの間、人々はこの魚のみを食べ、発酵した「臭い飯」は廃棄していた。しかし1500年代あたりに、人々は半分発酵した魚と飯をいっしょに食べ始めた。これが現代のすしへの道を開いた。

なれずしはどんな味?

なれずしは一見、現代のすしとは全く異なる。通常、一匹の魚がそのままの形で売られており、どろりとしたヨーグルトのような「ソース」がかかっている。

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