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グーグルとMSのAI開発競争、「想定外の結果」招く恐れも

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AIの開発競争にしのぎを削るグーグルのピチャイCEO(左)とMSのナデラCEO/Ramin Talaie/Gabriel Bouys/AFP/Getty Images

AIの開発競争にしのぎを削るグーグルのピチャイCEO(左)とMSのナデラCEO/Ramin Talaie/Gabriel Bouys/AFP/Getty Images

ニューヨーク(CNN) 米グーグルは6日、オープンAIの「チャットGPT」に対抗する対話型AIサービス「Bard(バード)」を、「数週間中に」リリースすると発表した。

発表の翌日には、米マイクロソフトがワシントン州の本社でオープンAIとのイベントを予定していた。

英紙フィナンシャル・タイムズのリチャード・ウォーターズ氏は6日、「インターネット戦争の再来」という記事で、「10年前にグーグルがマイクロソフトの総攻撃をかわして以来、新たな戦いの火ぶたが切って落とされた」と指摘した。

だが飛ぶ鳥を落とす勢いで現れたテクノロジーは、深刻な倫理問題ももたらしている。

デロイトAIインスティトゥートのエグゼクティブディレクター、ビーナ・アンマナス氏いわく、新技術には「想定外の結果」がつきもので、十分な予防対策を講じない限りAIチャットボットでも同じことが起きるという。同氏は保護策がない現状を、「ジュラシックパークを建設して警告サインを掲げつつ、ゲートは開けっ放しの状態」と例えた。

アンマナス氏も指摘するように、長年問題視されているAIのバイアスはいまだ解決されていない。それにAIは真実とフィクションを区別することができない。

「理屈の上では筋が通っているように聞こえても、間違った情報をはじき出すことができる。しかもそれを自信たっぷりに発信する」(アンマナス氏)

先月には米CNETがAIツールの支援によって数十本の記事を作成した後、訂正に追われた。

明らかにグーグルもマイクロソフトも十分理解していることだが、AI技術には今の世界の姿を変える力がある。唯一の疑問は、果たして今後両社がシリコンバレーの行動原則に従うのかどうかだ。「迅速に動いて破壊する」というその原則は、過去に大変な混乱をもたらしてきたのだが。

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