実は「おとりサイト」、殺し屋雇おうとした女を訴追 標的は元夫

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ウェブサイトを通じて元夫の殺害を依頼した女が殺人教唆(きょうさ)などの罪に問われて罪状を認めた

ウェブサイトを通じて元夫の殺害を依頼した女が殺人教唆(きょうさ)などの罪に問われて罪状を認めた

(CNN) ウェンディー・ウェイン被告は、別れた夫の死を望んでいた。

同被告は2020年7月、「Rent―A―Hitman(ヒットマン貸します)」というウェブサイトに行き当たる。同サイトは、誰にも知られずにタイミング良く、「あなたのデリケートな状況に対応します」とうたっていた。

同サイトの工作員は約1万8000人いて、米国内であれば場所を問わずにどんな仕事でも請け負うという触れ込みだった。顧客の評価の声として掲載された中には、「私が休暇で街を離れている間に、私に不満を持つ従業員の問題に即座に対処してくれた」という男性の証言もあった。

そこでウェイン被告は同サイトから相談を申し込み、チーフコンサルタントを名乗る人物とやり取りを交わした。同被告は「刑務所には行きたくありません」と述べ、夫を殺害してくれたら5000ドル(約57万円)を支払うと持ちかけていた。CNNはこのやり取りの内容を入手した。

チーフコンサルタントを名乗っていたのは、同サイトを運営するボブ・イネスさんというカリフォルニア州の男性だった。Rent―A―Hitmanの「工作員」が実際に人を殺したことはなく、同サイトは殺し屋を雇いたいと思っている人をおびき寄せるために存在していた。

ウェイン被告はRent―A―Hitmanの複数の「顧客」の一人として、同サイトを使って殺人をそそのかした罪に問われ、服役することになった。

危険な「顧客」は警察へ

インターネットで防犯ビジネスを営んでいた同サイトが、敵を殺害したいと望む人をおびき寄せるおとりサイトに転じたのは偶然だった。サービスの依頼にはイネスさんが対応し、深刻な案件については司法当局に通報する。

サイトの中にはこれが罠であることをほのめかすヒントをあちこちに散りばめているとイネスさんは言う。

それでもだまされる人はいて、同サイトの申し込みページを通じて実名や連絡先、「対処」を望む理由を伝えてくる。

サイト開設以来、申し込みを寄せた人は400人を超え、中には殺し屋になりたいという申し出もあった。申し込みのうち約10%については、警察が関与して立件した。

24時間の「冷却期間」

人を殺してほしいという依頼を受けた場合、イネスさんは警察に通報する前に24時間待つ。

「これは冷静さを取り戻してもらうためのいわば冷却期間」とイネスさんは言う。「1日後に、私は2つの質問をする。あなたは今も、我々のサービスを必要としていますか。工作員との接触を望みますか、と」

この質問に2つともイエスと答えた相手については、その居住地の司法機関に通報し、容疑者とのやり取りを引き継ぐ。

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