ロシア諜報機関、米で利用の新型コロナワクチンの偽情報拡散

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接種の準備が行われるワクチン=2月16日、米カリフォルニア州ロサンゼルス/Apu Gomes/AFP/Getty Images

接種の準備が行われるワクチン=2月16日、米カリフォルニア州ロサンゼルス/Apu Gomes/AFP/Getty Images

ワシントン(CNN) ロシア諜報(ちょうほう)機関から指示を受けているネット上のプラットフォームが、米国で使われている2つの新型コロナウイルスワクチンに関する偽情報を拡散させていることがわかった。米国務省の広報担当が7日、CNNに明らかにした。

米国務省のグローバル・エンゲージメント・センター(GEC)は、「ニュース・フロント」「ニュー・イースタン・アウトルック」「オリエンタル・レビュー」の3つのロシア系のサイトを特定した。これらは新型コロナウイルスだけではなく、国際機関や軍事衝突、抗議活動など、利用が可能な意見が対立するあらゆる問題について、偽の情報を拡散させていたという。

国務省によれば、これらのサイトは読者の範囲や論調などはさまざまだが、すべてがロシアのプロパガンダや偽情報を拡散させていた。これらのサイトとロシア諜報機関とのつながりがわかったという。

偽情報については米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が最初に報じていた。

偽情報の拡散は、米国など各国が新型コロナウイルスワクチンの接種を急ぐなかで行われた。各国では、米ファイザーと独ビオンテック、米モデルナ、米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の各社が記録的な早さで開発したワクチンが使われている。

米当局者はここ数カ月、ワクチンに対する信頼の醸成に努めている。研究では一部の人たちのなかでワクチン接種に対するためらいが一定程度あることが示されているが、ワクチン接種が進むにつれて、その人数も減りつつある。

ロシア大統領府の報道官は、偽情報拡散に関する報道を否定した。

WSJによると、ロシアの国営メディアや政府のツイッターアカウントはファイザー製ワクチンの費用や安全性への懸念を高めようとする取り組みを公然と進めた。こうした取り組みはロシア製ワクチン「スプートニクV」の販売促進を狙ったものとの米政府以外の専門家からの指摘があるという。

同紙によると、偽情報を拡散したとされるサイトの一つ、ニュース・フロントは国際的な報告を取り上げて、ファイザーやモデルナのワクチン接種で顔面が麻痺(まひ)するベル麻痺になる可能性があるとのリスクを大きく扱おうとした。同紙はワクチン接種を受けた人からの副反応の報告は少数あるものの、大多数は安全で効果的と指摘している。

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